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【2人の名探偵】メルカトル鮎&木更津悠也シリーズの紹介【麻耶 雄嵩】


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シリーズの特徴と順番

 シリーズ1作品目である「翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件」は、著者が京都大学の在学中に書き、島田荘司、綾辻行人、法月綸太郎から賛辞を受け、デビューが決定した作品です。推薦した方々の顔ぶれが驚愕ですねよね(汗 

これだけで、読んでみる価値がありませんか?

全作品を通して、新本格推理としてクオリティにお高い作品になっています。

首なし死体や、密室殺人、クローズド・サークルや、暗号……。なんともミステリ読みを刺激する単語ばかりじゃありませんか。このようなテーマを用いた作品ばかりです!

メルカトル鮎と木更津悠也の2人の名探偵が活躍する作品になっていて、作品毎に2人が登場したり、一方が登場したりします。

紹介する際はタイトルの隣に、登場する名探偵を括弧内で記載いたしますので、参考にしてみて下さい。

順番は特に気にせずに読んでも問題ありません。

絶版の作品もあるので、電子書籍で読んでみるのもいいかもしれません(*'▽')

 

このシリーズの特徴としては、以下の通りです。

 

・クセが強い2人の名探偵の活躍を描く。

・本格推理小説を味わえる。

・学生の頃から書き続けている作品。

・質が高く、意外性のある物語。

 

ひとつでも自分に興味がある項目があれば、是非とも読んでみては如何でしょうか?

 

シリーズの紹介

 

1.翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件(メルカトル鮎&木更津悠也)

 

首なし死体、密室、蘇る死者、見立て殺人……。京都近郊に建つヨーロッパ中世の古城と見粉うばかりの館・蒼鴉城を「私」が訪れた時、惨劇はすでに始まっていた。2人の名探偵の火花散る対決の行方は。そして迎える壮絶な結末。島田荘司、綾辻行人、法月綸太郎、三氏の圧倒的賛辞を受けた著者のデビュー作。

   

作者の才能が詰まった一冊。
首なし死体や密室に見立て殺人と、ミステリ好きのツボをしっかり抑えているぞ。

デビュー作品からぶっ飛んでいますね……。
探偵の推理合戦も読み応え抜群で、手に汗を握りました。

 

2.夏と冬の奏鳴曲(ソナタ)(メルカトル鮎)

 

首なし死体が発見されたのは、雪が降り積もった夏の朝だった!20年前に死んだはずの美少女、和音の影がすべてを支配する不思議な和音島。なにもかもがミステリアスな孤島で起きた惨劇の真相とは?メルカトル鮎の一言がすべてを解決する。

   

すごい怪作だ。真夏なのに雪が降る島で起こる殺人事件。
奇妙な雰囲気が常に付き纏っていて、独特な空気を味わうことができるぞ。

え……。読み終わった時には「?」が頭を舞っていました。
最後のメルカトル鮎の台詞のためだけに、この小説は書かれたのでは?

 

3.痾(メルカトル鮎&木更津悠也)

 

忌まわしい和音島の殺人事件の後遺症で記憶喪失になった如月烏有は、記憶をとり戻そうと寺社に連続放火。すると焼け跡からは焼死体が発見される。その彼のもとに「今度は何処に火をつけるつもりかい?」と書かれた手紙が届く。烏有は連続放火殺人犯なのか?名探偵メルカトル鮎が真相に迫る新本格ミステリ。

   

前作の正統な続編。しっかり内容を把握したい人は前作から読むのを勧めるぞ。
日常に戻ってきた烏有は記憶を失い、放火を続けてしまうのだ。

とても重たい内容の一冊でした。烏有さんが不憫でならない。
そして、後味が悪い結果になりましたね……。

 

 

4.メルカトルと美袋のための殺人(メルカトル鮎)

 

推理作家の美袋三条は、知人の別荘で出会った佑美子に刹那的に恋をする。しかし彼女は間もなく死体で発見され、美袋が第一容疑者とされてしまった!事件に巻き込まれやすい美袋と、「解決できない事件など存在しない」と豪語する魔性の銘探偵・メルカトル鮎が挑む巧緻な謎の数々。脱出不能な密室殺人から、関係者全員にアリバイが成立する不可能犯罪まで―奇才が放つ、衝撃本格推理集。

   

メルカトル鮎が活躍(?)する短編集だぞ。
死体を蹴り、唾を吐きかける。早く帰りたいが為の証拠の捏造をするダークな側面がたくさん読めるぞ。

助手にこれほど恨まれる探偵も珍しいですよね……。
「こいつさえいなければ、いつか殺してやる」って思われる探偵って……。

 

5.鴉(メルカトル鮎)

 

弟・襾鈴の失踪と死の謎を追って地図にない異郷の村に潜入した兄・珂允。襲いかかる鴉の大群。四つの祭りと薪能。蔵の奥の人形。錬金術。嫉妬と憎悪と偽善。五行思想。足跡なき連続殺害現場。盲点衝く大トリック。支配者・大鏡の正体。再び襲う鴉。そしてメルカトル鮎が導く逆転と驚愕の大結末。一九九七年のNo.1ミステリに輝く神話的最高傑作。

   

地図にも載っていない、名もなき村を舞台にした小説だ。
タイトル通りカラスによって人や作物などに、被害を与えている。

アベルとカインの話がモチーフになっているんですね。
しかし、メルカトル鮎が神出鬼没で登場する度に、ドキドキしてしまいますね……。

 

6.木製の王子(木更津悠也)

 

比叡山の麓に隠棲する白樫家で殺人事件が起きた。被害者は一族の若嫁・晃佳。犯人は生首をピアノの上に飾り、一族の証である指環を持ち去っていた。京都の出版社に勤める如月烏有の同僚・安城則定が所持する同じデザインの指輪との関係は?容疑者全員に分単位の緻密なアリバイが存在する傑作ミステリー。

   

家族を求める主人公が探していたのは、果たして何だったのか?
分単位の鉄壁のアリバイを如何にして、突破するかが見どころだぞ。

アリバイ物かと思いまいしたが、動機も非常にヤバかったです。
これは狂気と言っても過言ではないですね……。

 

7.名探偵 木更津悠也(木更津悠也)

 

京都某所の古めかしい洋館・戸梶邸で、資産家が刺殺された…。柵もあってしぶしぶ依頼を引き受けた名探偵・木更津悠也を待ち受けていたのは、ひと癖もふた癖もある関係者たちの鉄壁のアリバイ。四角く切り取られた犯行現場のカーテンが意味するものは?一同を集めて事件の真相を看破しようとする木更津だが…。(「白幽霊」)。京都の街に出没する白い幽霊に導かれるように事件は起こる。本格推理の極北4編。

   

短編作品だが、どの作品にも「白い幽霊」が現れるぞ。
この「白い幽霊」が作品にどう関わってくるのかも、注目して欲しい。

助手の香月が如何に、探偵を立てるか邁進している姿も面白いですね。
個人的には一番「時間外返却」が好きですね。

8.メルカトルかく語りき(メルカトル鮎)

 

傲岸不遜で超人的推理力の探偵・メルカトル鮎。教師殺人の容疑者はメフィスト学園の一年生、二十人。全員にアリバイあり、でも犯人はいる―のか?相棒の作家、美袋三条は常識破りの解決を立て続けに提示する探偵に“怒り”すら抱く。ミステリのトリックを嘲笑い自分は完璧とのたまう“銘”探偵の推理が際立つ五篇!

   

相変わらず性格が悪い作品になっているぞ(誉め言葉)
どの話も無茶苦茶で、美袋の扱いも相変わらず酷いものになっている。

なんだか、美袋君に共感を抱いてきましたよ……。
どの作品も読み応えがフワフワしているのが、この作品の特徴かもしれませんね。

 

最後に

トリックも優れていますが、キャラクターたちも魅力的ですよね。

名探偵たちが抱える苦悩や葛藤を描いてる点も私は評価が高いです。

そして、作者の一癖も二癖もある物語はとても中毒性がありますよね。二転三転する展開に驚愕の事実、そして更にその上を行く、結末! これがこの著者の大きな魅力です!

まだまだ未発表の作品が眠っているらしいので、どんどんと発表してくれるのを願っています。

 

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