三津田信三のホラー短編集「誰かの家」を紹介するぞ。
出ましたね、お気に入りの「三津田信三」ですか。
その通り。
やっぱり、定期的にぞくぞくするようなホラー小説を読みたいじゃないか。
(ぼくは全然、そんなこと思いませんけどね)
概要
再会した中学時代の友人は、奇妙な話を語り出した。幽霊屋敷と噂の奇っ怪な邸宅。無人でも廃墟でもなく、時折人影や窓の明かりが目撃されるという。不良少年だった彼は悪友に唆かされ、半ば肝試しのように館に独り忍び込む(表題作)。日常の裂け目の奥底で戦慄が踊る、“身も心も総毛立つ”ホラー短篇小説集。(「BOOK」データベースより)
個人的ポイント
登 場 人 物 : 短編集のため、登場人物はバラバラ。
文 章 力 : 相変わらずのゾッとするような文章。
テ ー マ : 各作品ごとに違います。
後 読 感 : どれも、ゾゾゾとする短編集ばかり。
著者が集めた、という設定の短編集6つ。
どれも、ぞくぞくする短編集で、読んでいて飽きない!
感想
まったく三津田信三の短編小説は珠玉な作品ばかり。
いろんな短編集を書いている筈なのに、全く内容が被らないのは凄いです。ホラー小説って似たり寄ったりの恐怖体験が多いと、思っているのにこんなに引き出しがあるは、素直にびっくりです。
さて、今回は6編が収録されています。
・ついてくるもの……山のバンガローで出会った人たちと怪談話をすることになり、その中の1人が語るのは海で出会った美女との不可解な体験。
・あとあとさん……空想の友達「あとあとさん」。失敗事などを「あとあとさん」の所為にしていると、家の中で不可解な現象が起こって行く。
・ドールハウスの怪……蔵の中にあったドールハウスの人形たちは不可解な格好をしていた。そして、奇妙なことに所有者の家族構成が全く同じだった。
・湯治場の客……混浴風呂で出会ったのは離婚して、夫から逃げてきた女性。しかし、その女性近くには謎の声が付きまとっていた。
・御塚様参り……丑の刻参りをテーマにした作品。とある女性を呪うために田舎に帰った主人公が襲う恐怖体験。
・誰かの家……宗教施設のような家に空き巣に入った主人公。しかし、家の至る所には、謎の人形がシーツに包まれていた。
と、バラエティ溢れる作品ばかり。
個人的に好きだった話は、「ついてくるもの」と「ドールハウスの怪」でしょうか。
「本当にこんなことがあるのかも」、と思わせる表現力は相変わらずで、自らがこれらの物語を体験しているようでした。いろんな想像力が膨らむんですよね。
もっと、この作者の本を読みたいです。
どの話も恐ろしかったです……。
特に「なにか」に追いかけられるシーンはヤバい。
こんな人におススメです
・ホラー短編集を読みたい人。
・バラエティに富んだホラー小説を読みたい人。
・サクッと背筋が凍る短編集を読みたい人。
・三津田信三のファンの人。