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【理系×館】堂シリーズの紹介【周木 律】


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シリーズの特徴と順番

メフィスト賞を受賞した「眼球堂の殺人」

この「眼球堂の殺人」から始まる「堂」シリーズは7つあり、「大聖堂の殺人」でこの物語は現在完結しております。

なんといっても、このシリーズは「理系」の人は楽しめること間違いなしです。特に建築関係に精通している人なら尚更だと思います。それほどまでに、専門用語が飛び交うんです。でも、文系の人でも分かりやすく解説が入っているので、安心して物語を楽しむことが出来ます。

この物語の舞台はいずれも一風変わった「堂」。

これだけで、本格ミステリファンのアンテナには引っかかりそうですよね。もちろん普通の「堂」であるはずがありません。いろんな仕掛けが施されています。この仕掛けも「数学」が絡んでいて、とても面白いんです。

この物語は順番通りに読むことをおススメします。

シリーズを通して、一本の筋が通っているので、途中から読んだり、飛ばしてしまうと頭に「?」がつくことになってしまいますから、注意が必要です。

 

このシリーズの特徴としては、以下の通りです。

 

・理系ミステリ。

・クローズド・サークルも登場。

・一風変わった「館」が舞台。

・重厚で読み応え抜群の本格ミステリ。

 

ひとつでも自分に興味がある項目があれば、是非とも読んでみては如何でしょうか?

 

シリーズの紹介

 

1.眼球堂の殺人 ~The Book~

 

神の書、“The Book”を探し求める者、放浪の数学者・十和田只人が記者・陸奥藍子と訪れたのは、狂気の天才建築学者・驫木煬の巨大にして奇怪な邸宅“眼球堂”だった。二人と共に招かれた各界の天才たちを次々と事件と謎が見舞う。密室、館。メフィスト賞受賞作にして「堂」シリーズ第一作となった傑作本格ミステリ!

   

メフィスト賞を受賞してデビューした作品。
本格ミステリに恥じない出来栄えで、物語にのめり込む事ができるぞ。

王道のクローズド・サークル作品でありながら、とても斬新的。
久しぶりに、本格ミステリを味わった気がしました。

 

2.双孔堂の殺人 ~Double Torus~

 

二重鍵状の館、“Double Torus”。警察庁キャリア、宮司司は放浪の数学者、十和田只人に会うため、そこへ向かう。だが彼を待っていたのは二つの密室殺人と容疑者となった十和田の姿だった。建築物の謎、数学者たちの秘された物語。シリーズとして再構築された世界にミステリの面白さが溢れる。“堂”シリーズ第2弾。

   

シリーズの第2弾は、警察官が主人公。
そして、殺人の容疑者になった男が前作の主人公「十和田」だ。

散りばめれた伏線回収がとても見事。
そして、この建築物に秘められた大胆な謎には脱帽です。

 

3.五覚堂の殺人 ~Burning Ship~

 

放浪の数学者、十和田只人は美しき天才、善知鳥神に導かれ第三の館へ。そこで見せられたものは起きたばかりの事件の映像―それは五覚堂に閉じ込められた哲学者、志田幾郎の一族と警察庁キャリア、宮司司の妹、百合子を襲う連続密室殺人だった。「既に起きた」事件に十和田はどう挑むのか。館&理系ミステリ第三弾!

   

過去に起きた事件の「映像」を観て推理する十和田。
「映像」には前作の主人公の妹が映っていて、事件に巻き込まれていた……。

場面の切り替わりが多くて飽きることがないですね。
そして、真の主人公である百合子の本格参戦もこの話からなんですね。

 

4.伽藍堂の殺人 ~Banach-Tarski Paradox~

 

謎の宗教団体・BT教団の施設だった二つの館の建つ伽藍島。リーマン予想解決に関わる講演会のため訪れた、放浪の数学者・十和田只人と天才・善知鳥神、宮司兄妹。その夜、ともに招かれた数学者二人が不可能と思われる“瞬間移動”殺人の犠牲となる。秘められた不穏な物語がさらに動く“堂”シリーズ第四弾。

   

私の中で、シリーズ1,2を争う面白さだと思う。
孤島で起こる不可解な連続殺人事件は魅力たっぷりだ。

死体が「はやにえ」の状態で見つかったとはかなり驚きです。
しかも、瞬間移動殺人とは……。驚愕の連続な物語です。

 

5.教会堂の殺人 ~Game Theory~

 

訪れた者を次々と死に誘う狂気の館、教会堂。失踪した部下を追い、警察庁キャリアの司は館に足を踏み入れる。そこで待ち受けていたのは、水死・焼死・窒息死などを引き起こす数多の死の罠!司の足跡をたどり、妹の百合子もまた館に向かう。死のゲームと、天才数学者が求める極限の問いに、唯一解はあるのか!?

   

この物語は堂シリーズのひとつの〝ターニングポイント〟だな。
メインキャラクターたちに立ちはだかる壁をどう乗り切っていくか。

ひとつの施設で「水死」「焼死」「窒息死」っていったいどんな仕掛けが……。
物語の最期はかなりの衝撃。一体これからどうなってしまうのか……。

 

6.鏡面堂の殺人 ~Theory of Relativity~

 

異形の建築家が手掛けた初めての館、鏡面堂。すべての館の原型たる建物を訪れた百合子に、ある手配が手渡される。そこには、かつてここで起きたふたつの惨劇が記されていた。無明の闇に閉ざされた密室と消えた凶器。館に張り巡らされた罠とWHO、WHY、HOWの謎。原点の殺人は最後の事件へ繋がっていく!

   

始まりの〝堂〟を巡る物語。
最後の物語へ続く大切な一冊だぞ。

過去の物語がメインって感じがしますね。
次巻に向けて、大きく準備運動をしている感じがとても伝わってきます。

 

7.大聖堂の殺人 ~The Books~

 

すべての事件を操る数学者・藤衛に招かれ、北海道の孤島に聳え立つ大聖堂を訪れた宮司百合子。そこは、宮司家の両親が命を落とした場所だった。災禍再び、リーマン予想の解を巡り、焼死や凍死など不可解な殺人が発生する。しかし、藤は遠く離れた襟裳岬で講演の最中だった。大人気「堂」シリーズ、ここに証明終了!

   

ついに最終巻。
この物語に関わる全ての人物が一堂に会するぞ。

まさに、最終巻に相応しい大掛かりなトリックですね。
読み終えた後は脱力してしまいました……。

 

最後に

やはり私が一番好きな物語は「眼球堂の殺人」になりますね。

久しぶりに「クローズド・サークル作品が読めた!」という実感が生まれました。ぐいぐいと物語に引っ張られ、どんどんページを捲る手が進む。

あれこれ手掛かりを探って、ああでもない、こうでもない、と推理を巡らせる。

そして、館の秘密に辿り着いたときの衝撃の事実! これが新本格ミステリの醍醐味ですよね。そんな物語が7つも続いているんです。

クローズド・サークル作品が好きな人なら絶対に読んで欲しいシリーズとなっています。

まずは「眼球堂の殺人」から読んでみてはいかがでしょうか。

 

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