雪だるまの本棚

本や自分の活動について発信します

【娘の死の真相は?】〝罪の余白〟芦沢 央―――すべてを失った男の復讐とは


スポンサーリンク

f:id:KuraMystery:20201102185119p:plain





 

今回は、芦沢央のデビュー作品「罪の余白」を紹介するぞ。

なんか、重そうなテーマが孕んでいてそうなタイトルですね……。

その通り。
この作品は、妻も失い、娘をも失った男の物語なんだ。

うぅ、少し聞いただけで辛くなってきました……。

概要

 

どうしよう、お父さん、わたし、死んでしまう―。安藤の娘、加奈が学校で転落死した。「全然悩んでいるようには見えなかった」。クラスメートからの手紙を受け取った安藤の心に、娘が死を選んだ本当の理由を知りたい、という思いが強く芽生える。安藤の家を弔問に訪れた少女、娘の日記を探す安藤。二人が出遭った時、悪魔の心が蠢き出す…。女子高生達の罪深い遊戯、娘を思う父の暴走する心を、サスペンスフルに描く!(「BOOK」データベースより)

 

個人的ポイント

 

登 場 人 物 : 比較的少なく、しっかりと描かれていました。

文   章   力  : とても読みやすい。2、3日で読めるのでは?

テ   ー   マ    : イジメ。復讐、謝罪。

ト リ ッ ク : 加害者の追い詰め方が秀逸でした。

後   読   感  : 色々と深く考えさせられる作品でした……。

 

主人公の安藤が学校から転落して物語が始まる。
妻に先立たれ、娘は事故死。そんな男の決意とは一体?

 

感想

 

とても読みやすい文章でした。2,3日で読了できました。

しかし、読むのが苦しい本でもありました。

妻は娘を産み落として亡くなり、そんな大切にしてきた娘も死んでしまう。所々に挟まれる家族のエピソードが胸に染み渡ります。

「なんで、こんな家族が不幸になるんだ」と読んでいて何度思ったことか。

娘の死によって、生きる希望を失った安藤は見ていられないけれど、少し目を離す何をしでかすか分からない雰囲気が孕んでいる空気が見事に描かれていました。

そして、イジメを主導していた咲の心理描写も、10代の自分勝手で、自分が一番大切で、醜悪な性格が良く出ていました。

とても人の書き方が上手だな、という印象です。

安藤の復讐方法にも、驚きでした。

イジメの陰湿な所って、証拠が残らない場合があるって所なんですよね。

娘の仇を討ちたい。でも確固たる証拠がない。そんな葛藤の末に思い付いた復讐の方法はとても秀逸でした。

ハッピーエンドとは程遠い物語ではありましたが、一応の決着(ケジメ)はついたようで良かったです。

登場人物たちはこれから、「加奈」のことを忘れずに生きていってほしい。

それが残された人たちの使命であり、贖罪のひとつの形なのだと思いました。

 

とても暗い話でした……。
死に追いやった女子高生たちはしっかり自分を見つめ直して欲しいです、

 

こんな人におススメです

 

・映画を観て、原作を読んでいない人。

・女子学生のイジメについて読みたい人。

・謝罪、反省について考えたい人。

・胸が抉られるような物語を読みたい人。