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【雨の日に読んではいけない】〝逢魔宿り〟三津田 信三―――何の関連がない短編と思いきや……


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今回は三津田信三の新作短編「逢魔宿り」を紹介するぞ。

タイトルからして不穏な空気が漂っているんですけど……。

それが良いんじゃないか。
本から漂ってくる雰囲気が何とも読書欲をそそらないか?

怖くて、中々開く気になりませんよ……。

概要

 

「お籠りの家」結界が張られた山奥の家で、七つのルールを守り「おこもり」をした少年の七夜の体験。「予告画」周囲に不幸が続く無口な児童の描く絵が、凶事を暗示することに気づいた新米教師の記録。「某施設の夜警」ある新興宗教の世界観を表した奇天烈な施設で、夜毎の異変に遭遇した警備員の述懐。「よびにくるもの」法事に訪れた片田舎の旧家で、蔵の二階の“何か”を呼んでしまった大学生の告白。「逢魔宿り」散歩で通う四阿に、雨の日の夕刻必ず現れ、怪談を語りだす家族に狙われた装幀家の回想。…そして、蒐集した怪異譚を小説として発表し続けた作家の顛末。著者史上最恐短編集。(「BOOK」データベースより)

 

個人的ポイント

 

登 場 人 物 : 短編毎に登場人物が入れ替わり、分かりやすい。

文   章   力  : 著者が文章に起こした、という設定で恐ろしくできてる。

テ   ー   マ    : 著者が聞いた怪談を小説化した物語。

ト リ ッ ク : 何の関連もない、と思いきや最後の最後でやってくれました。

後   読   感  : 鳥肌がぞくぞくと立ちました……。

 

著者の最新刊!
どの短編も状況が異なっていて、飽きることない短編集だぞ。

 

感想

 

今回は、ちょっと三津田信三の「らしさ」が少な目かな、と思った一冊でした。

三津田信三の作品といえば、怪異現象に「解釈」を加えて論理的に、怪異現象を説明する、という作品が多いですが、今作はそういった「解釈」が皆無でした。

ですがその分、理解不明、説明がつかない「恐怖」があり、充分にひんやりとぞくぞくとして楽しませて頂きました。

その短編もすべてが全く違うシチュエーションで起こっているので、様々な「恐怖」を味わうことができました。

どの短編も著者の三津田信三が、知り合いだったり、紹介を受けたりした人物の怪異譚を聞いて、それを小説化させた、というものです。

それが、リアリティがあってまた恐怖を煽るんですよねぇ……。こういったメタ要素はいつもの三津田信三「らしさ」があります。

お籠りの家……シンプルな怪異の物語。人里離れた山奥の家で7日間家の中に籠らくてはならず、それを破ってしまった主人公は……。

予告画……絵に描かれた出来事が、その通り現実になっていく。それをしった担当の小学生の担任は……。

某施設の夜警……新興宗教施設で必要のない見回りの仕事をすることになるが、日が経つにつれてどんどん怪現象がエスカレートしていき……。

よびにくるもの……祖母の頼みで、田舎の法事に訪れた主人公。しかし、蔵の中で「何か」を呼び寄せてしまい……。

逢魔宿り……習慣の散歩で四阿に寄る主人公。しかし雨の日に限って「怪談」を語る家族と遭遇し……。

といった感じの5編が収録されています。

実は、4作品までを読んだ感想は「普通の短編だな」。

いや、もちろん怖いんですよ。怖くて面白いんですけど、「それ以上」がなかったんです。だから「今回はシンプルな短編集だな」と思っていたんです。

でも、5つ目の作品を読んで自分が愚かだったと、改めて認識しました……。

さすが三津田信三だな、と。

5つ目を読んでまた改めて別種の恐怖を感じました……。

また、面白くて、恐ろしいホラー小説を待っています。

 

また恐ろしい本を……。
どの短編も全く違う恐ろしさがありました……。

 

こんな人におススメです

 

・三津田信三のファンの方。

・ホラー短編集を読みたい人。

・ゾクッとした涼をとりたい人。

・バラエティに富んだホラー短編集を読みたい人。