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【宇宙からの侵略者】〝ΑΩ(アルファ・オメガ)―超空想科学怪奇譚〟小林 泰三―――人間もどきが溢れる世界に


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長編SFホラー小説「ΑΩ」を今日は紹介するぞ。

アルファ、オメガ、ですか……。
格好良いタイトルですね。

しかし中身はとても残酷極まりない物語になっているぞ。

表紙から、ただならぬ雰囲気が伝わってきてるので、その覚悟はあります。

概要

 

旅客機の墜落事故。乗客全員が死亡と思われた壮絶な事故現場から、諸星隼人は腕一本の状態から蘇った。一方、真空と磁場と電離体からなる世界で「影」を追い求める生命体“ガ”は、城壁測量士を失い地球へと到来した。“ガ”は隼人と接近遭遇し、冒険を重ねる…。人類が破滅しようとしていた。新興宗教、「人間もどき」。血肉が世界を覆う―。日本SF大賞の候補作となった、超SFハード・アクション。(「BOOK」データベースより)

 

個人的ポイント

 

登 場 人 物 : 必要最低限って感じですが、理解し辛い箇所もあり。

文   章   力  : 概ね読みやすい。第2章だけはちょっと読み辛いかも。

テ   ー   マ    : 共生、と私は感じました。

後   読   感  : 今後の「地球」について考えさせられます。

 

重厚感あるSF小説。
宇宙人の襲来に果たして、人類はどう向き合っていくのか?

 

感想

 

全体的にホラー要素が3。SF要素が7ぐらいに感じた作品でした。ホラー要素が少な目に感じるかもしれませんが、その分濃かったです。

恐ろしい、箇所はとことん恐ろしく。

グロイ描写は、とことんグロく。

残酷なところは、とことん残酷に。

そんなホラー要素が組み込まれています。

宇宙から地球に来訪した2体の宇宙人。一体は人間と融合した「ガ」。もう一体は自我を持たずあらゆる物質に取り込んでゆく「影」。

この「ガ」と「影」の戦いを描いた作品です。

印象としては、超現実的で容赦がないウルトラマン。

「ガ」は融合した人間――諸星隼人――の身体を使い、巨大化して、様々な物質を取り込んだ「影」と戦う。

「影」は時には、アメーバみたいで、恐竜かと思えば、キメラのようにぐちゃぐちゃだったり。この描写がリアルで面白い。

そして、最終的に「影」は人間に取り込み、「人間もどき」が誕生する。

ここからはもう「恐ろしい」の一言。決して、「生き物だけ」じゃなく、無機物までにも侵食してゆくのが恐ろしい。

壁や床、部屋中に溢れんばかりの、顔、顔、顔……。しかも顔だけでなく、中途半端に身体の一部までもが、部屋から「生えて」いる。こんなの目撃したらトラウマものですよね。

描写される人間もどきのビジュアルを想像するだけで気分が悪くなる。でも、やり切れなく、切なくもある。「人間もどき」だけど、短い命をしっかりと生きている。そこがリアリティがあってとても面白かったです。

「超空想科学怪奇譚」というタイトルがピッタリと嵌る一冊でした。

最後に明かされる「ガ」の正体にもびっくり。

 

「人間もどき」が怖すぎる……。
でも、アクションシーンはやっぱり胸が熱くなりますね!

 

こんな人におススメです

 

・SF作品が好きな人。

・グロイ描写が平気な人。

・ウルトラマンのような超人SF特撮が好きな人。

・じっくりと腰を据えて重厚な作品を読みたい人。