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【京都暴動】〝Ank : a mirroring ape〟佐藤 究―――大暴動の原因は一頭のチンパンジー


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エンタメ小説の傑作「Ank : a mirroring ape」を紹介するぞ。

タイトルから察するにチンパンジーの話ですかね?

一匹のチンパンジーが原因で、京都が大暴動に発展するのだ。
死者数は一万人を超え、互いに殺し合いを行う、という小説だ。

こ、殺し合い!
なんか寒気が……。

概要

 

二〇二六年、京都で大暴動が起きる。京都暴動―人種国籍を超えて目の前の他人を襲う悪夢。原因はウイルス、化学物質、テロでもなく、一頭のチンパンジーだった。未知の災厄に立ち向かう霊長類研究者・鈴木望が見た真実とは…。吉川英治文学新人賞・大藪春彦賞、ダブル受賞の超弩級エンタメ小説!(「BOOK」データベースより)

 

個人的ポイント

 

登 場 人 物 : とても分厚い1冊なのに登場人物は限られた人数のみ。

文   章   力  : 小難しい解説も全然苦にならない。読みやすいです。

テ   ー   マ    : 鏡。人と類人猿の違いとは。

ト リ ッ ク : トリックというよりも原因と因果。

後   読   感  : なんとも言えない虚脱感。とても満足した一冊でした。

 

超ド級のエンタメ小説!
600ページある作品なのにも関わらずあっという間にのめり込める!

 

感想

 

600ページ以上ある為、本書を手に取るのをずっと尻込みしていましたが、読んで大正解。600ページなんてあっという間でした。ぐいぐいと物語に引き込まれ、どんどんとページを捲る捲る。先が気になって仕方がない!

吉川英治文学新人賞・大藪春彦賞、ダブル受賞というのも頷けます。

それほどまでに、この小説には大きなパワーが宿っています。

三分の一ほどは、ずっと類人猿に関する研究やその背景についての説明でした。

しかし、全然飽きない。「人を人たらしめているものは何か?」 という大きなテーマが背景にあるからなのか。興味がそそられる。論文や学術書を読んでいるような気がしますが、説明が上手ですんなりと頭に入ってくるし、読みやすい。とても興味深く読まさせて頂きました。

じわじわと迫ってくる「京都暴動」のカウントダウン。これが更に読む手を加速させるんですよね。

そして、遂に「京都暴動」が起こる。暴動が起こってからは、もう一気読み!

楽しみにしていた展開ですが、そこには目を覆いたくなるなるような凄惨な描写が待っていました。

人が原始に還ったように、武器を放り出して自らの肉体で傷つき、殺し合う。年端もいかない子供でも、還暦を過ぎた老人でも関係ない。人々を守る自衛隊さえも、例外ではない。大切だった人たちを傷付ける。そして、一定の時刻が立って我に戻った時の絶望は、言葉には表現できない。

血走った眼で、歯を剥きだしてにして、襲い掛かるシーンは何度読んでも恐ろしい。負傷しても何度でも立ち上がり、自分の命が尽きるまで殺し合うの止めない。でも、先の展開が気になって仕方ない。

この後はどうなるの?

どうやってこの暴動を治めるの?

日本は、政府は何をしているの?

一体被害はどこまで拡大するの?

原因は何なの? 

読んでいる最中は、こんな疑問が常に頭の中を支配していました。

こんなに熱中して本を読んだのは久しぶりかもしれません。とてつもない没入感でした。

本を読み終えたら、軽い虚脱感に襲われました。余韻が残ります。

映画化したら、とても映える作品だと思います(*'▽')

 

とても没頭でる一冊でした。
人類や類人猿について理解が深まった気がします。

 

こんな人におススメです

 

・超重厚なエンタメ小説を読みたい人。

・類人猿と人間の違いに興味がある人。

・600ページ以上の本を一気に読みたい人。

・まるで超大作映画を体験したい人。