雪だるまの本棚

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【街に貼られた札】〝まほり〟高田 大介―――蛇の目に隠された集落の因習とは


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今回は、著者が初めて書いた民俗学ミステリ「まほり」を紹介するぞ。

「まほり」……。タイトルからして、意味がよく分からないですね。

うむ。
今回はこの「まほり」という謎に迫っていくホラーミステリでもあるのだよ。

ほ、ホラーミステリ作品でもあるんですか……。

概要

 

「まほり」とは何か?蛇の目紋に秘められた忌まわしき因習。膨大な史料から浮かび上がる恐るべき真実。『図書館の魔女』の著者が描く、初の長編ミステリ!(「BOOK」データベースより)

 

個人的ポイント

 

登 場 人 物 : メインの3人にはすぐに感情移入が出来ました。

文   章   力  : 良い意味で、まるで学術書を読んでいるかのようでした。

テ   ー   マ    : 言い伝えと、古い文化や因習。

ト リ ッ ク : 「まほり」の真相に至るまでの過程がまるで論文のよう。

後   読   感  : 凍り付きました。これはホラー小説でしょう……。

 

民俗学ミステリを謳っているが、きちんとホラー要素を孕んだ作品。
徐々に歴史の闇が明らかになっていく過程が面白い。

 

感想

 

とても満足だった一冊でした。分厚い一冊なのにも関わらず、どんどんページが進む進む。

さすが文学に携わっている方だけあって、とても高い文章力でした。読んだことがない漢字や熟語が何カ所かあってその度に辞書を引きました(笑)

しかし、その高い文章力こそあって世界観がハッキリと視える。読んでいて、風景が目に浮かぶようでした。そして登場人物たちも細かく描写されており、すぐに感情移入することが出来ました。

序盤はホラー要素から入って、寒気と恐怖に耐えて、グイグイとページを進ませる。都市伝説のような物語です。

中盤はまるで学術書を読むかのように、隠された歴史を紐解いていく。街の至る箇所に貼られた蛇の目の意味とは? 「文字」に隠された意味とは一体?

終盤は、今までの伏線を回収する怒涛の展開! 手に汗を握る展開でグワッと一気に読ませました。

そしてラストの一言……。

綺麗に起承転結がされていて、物語の構造が分かりやすい。

主人公は飛躍した推理をして謎を追うのではなく、図書館で文献を漁り、学者に話を聞いて周り、フィールドワークをするという地に足が着いた調査方法で、一歩一歩「まほり」の正体に近づいていくのは、読み応えが抜群でした!

漠然とした「謎」が、彼の調査によって徐々に形になっていくのは、私にとってとても面白かったです。

そして恋愛要素には少しにやにやしたりと、まったく飽きることがない作品でした。

また著者には民俗学ミステリを是非とも書いて欲しいです。

 

とても重厚なミステリ小説でした。
しかし「まほり」の正体には、驚愕でした……。

 

こんな人におススメです

 

・民俗学ミステリを読みたい人。

・濃厚な学術書のようなミステリを読みたい人。

・古くから続く集落での因習を読み解きたい人。

・ホラー要素もある作品を読みたい人。