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【検事の正義とは】〝検事の死命〟柚月 裕子―――佐方貞人シリーズ第3弾


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今回は「検事の本懐」の続編作品、「検事の死命」を紹介するぞ。

主人公の佐方が弁護士になる前のお話ですね。

その通り。
今回も検事時代の話だ。タイトル通り、検事としての使命(死命)がテーマだ。

また熱くて感動のお話が期待できますね……。

概要

 

電車内で女子高生に痴漢を働いたとして会社員の武本が現行犯逮捕された。武本は容疑を否認し、金を払えば示談にすると少女から脅されたと主張。さらに武本は県内有数の資産家一族の婿だった。担当を任された検事・佐方貞人に対し、上司や国会議員から不起訴にするよう圧力がかかるが、佐方は覚悟を決めて起訴に踏み切る。権力に挑む佐方に勝算はあるのか(「死命を賭ける」)。正義感あふれる男の執念を描いた、傑作ミステリー。(「BOOK」データベースより)

 

個人的ポイント

 

登 場 人 物 : 「人」が上手に描けていて、行動に説得力がある。

文   章   力  : 文章力も高く、読みやすい。難しい言葉も分かりやすい。

テ   ー   マ    : タイトル通り。検事の職業を深く切り込んでいる。

ト リ ッ ク : トリックというよりも、今回は佐方の生き方。働き方。

後   読   感  : 爽快感もありつつ、涙もありの気持ちが良い終わり方です。

 

佐方貞人シリーズの第3弾!
今回は短編と中編が収録されているぞ。読みやすいのであっという間に読めるぞ。

 

感想

 

短編が2つに中編が1つ収録されている今作。

どの話も佐方貞人という男を深堀りしていて、どんどん彼の魅力が溢れてくるような一冊でした。

「心を掬う」では、佐方の観察眼と人間性が光ます。

部下に嫌な仕事をさせず、自ら率先して行う。そして愚痴ひとつ言わず、どんな小さな「罪」でも浮き彫りにしようとする姿勢には頭が上がりませんね……。

「業をおろす」という話では佐方の父親が何故、実刑を望んだか判明します。

弁護士という職業はどんな人間であろうと「弁護」しなくてはならない。どんな凶悪犯だろうとも味方にならなくてはいけない、という葛藤があるでしょう。そんな父の生き方を見て今の佐方があるんですね。「罪をまっとうに裁くだけ」という言葉の重みが伝わりますね。

そして中編の「死命を賭ける」。

この話は権力に屈するか、それとも自分の職業を全うするか、というのがテーマ。

痴漢の容疑を掛けられた男の家はいわゆる権力者。被害者の女子高生は前科持ち。女子高生の心象は悪く、容疑者は冤罪だと主張する。

佐方は惑わされることなく真実を追求して、小さな声も聞き逃さない。「家柄と人柄は関係ない」という発言には痺れました。

佐方の圧力に屈せず、しっかりと「自分」を持って仕事に従事する姿勢は尊敬です。

見ていて(読んでいて)どこか危なっかしい姿がありますが、そんな佐方を応援して、理解してくれる仲間たちがいるのは非常に心強い。

これらかも自分の正義を貫いて欲しいです。

 

どれも熱くて泣ける話でした……。
佐方という男に惚れてしまいますね……。

 

こんな人におススメです

 

佐方貞人シリーズを読んでいる人。

・検事としての矜持について読みたい人。

・中編と短編が収録されている検事の小説を読みたい人。

・佐方という男をもっと深く知りたい人。