シリーズの特徴と順番
このシリーズ 、順番に読む必要はありません。
何故なら、作品すべてが独立しているからです。
では、何故「タロウシリーズ」と銘打っているのか? というと「天童太郎」という共通の人物が登場するからです。
しかし、このシリーズに登場する天童太郎は、同一人物ではありません。
なので同姓同名の人物、という認識で楽しんで頂ければと思います。
もうひとつの特徴として、このタロウシリーズは「タロット」をモチーフにしている、ということ。
英語では、タロットを「タロウ」と発音するらしく、「タロットシリーズ」とも呼ばれています。
作品のタイトル横に【】を設置します。【】内はモチーフとされているカードとなっていますので、ご参考までに。
このシリーズの特徴としては、以下の通りです。
・天童太郎、という共通の人物が登場する。
・タロットがモチーフされている作品である。
・タロウシリーズと銘打っているが、それぞれが独立している。
・「恋愛」をテーマにしている作品が多い。
ひとつでも自分に興味がある項目があれば、是非とも読んでみては如何でしょうか?
シリーズの紹介
1.塔の断章 【16番・塔】
お腹の子の父親はあなたよ―別荘の尖塔から転落死した美貌の社長令嬢・香織。悲劇が起きたのは、ある小説のゲーム化を企画するメンバー8人が別荘に集まった夜だった。父親は誰か。彼女の本当の死の理由は。激しい恋が迷い込んだ先の暗黒を描いた、乾マジックが冴え渡る“謎解き恋愛ミステリー”の決定版。
見取り図が好きな人なら、是非この作品も。
乾くるみらしからぬ、恋愛要素を絡めた王道のミステリ小説だ。
あっちこっち、話が飛んで読み辛いな……、と思っていましたが、
複雑な物語がラストに綺麗に収束していくのは、読んでいて気持ちいいですね。
2.イニシエーション・ラブ 【6番・恋人】
僕がマユに出会ったのは、代打で呼ばれた合コンの席。やがて僕らは恋に落ちて…。甘美で、ときにほろ苦い青春のひとときを瑞々しい筆致で描いた青春小説―と思いきや、最後から二行目(絶対に先に読まないで!)で、本書は全く違った物語に変貌する。「必ず二回読みたくなる」と絶賛された傑作ミステリー。
ミステリ好きなら、一度は聞いたことがある作品だろう。
「必ず二回読みたくなる」という言葉は、決して誇張ではないぞ。
厚くない本なので、サクッと読め、そのまま二回目に突入もできます。
驚愕のラストには、空いた口が塞がりませんでした……。
3.リピート 【10番・運命の輪】
もし、現在の記憶を持ったまま十ヵ月前の自分に戻れるとしたら?この夢のような「リピート」に誘われ、疑いつつも人生のやり直しに臨んだ十人の男女。ところが彼らは一人、また一人と不審な死を遂げて…。あの『イニシエーション・ラブ』の鬼才が、『リプレイ』+『そして誰もいなくなった』に挑んだ仰天の傑作。
SFミステリの作品。10ヶ月前に戻った9人が怪死を遂げていく……
「そして誰もいなくなった」を意識している、後半は一気読み必須の本だ。
恐ろしい作品ですね……。
ドラマ化もしている作品でもありますから、機会があればそちらも。
4.セカンド・ラブ 【2番・女教皇】
1983年元旦、僕は、会社の先輩から誘われたスキー旅行で、春香と出会った。やがて付き合い始めた僕たちはとても幸せだった。春香とそっくりな女、美奈子が現れるまでは…。清楚な春香と大胆な美奈子、対照的な二人の間で揺れる心。『イニシエーション・ラブ』に続く二度読み必至、驚愕の「恋愛ミステリー」
普通の恋愛ミステリと読んでいると痛い目をみる作品。
最後の2行の意味を知った時「やられた」と叫ぶことだろう。
警戒して読んだつもりだったのに、またもやしてやられました……。
読み返せば至る所に伏線が散りばめられてビックリです。
5.嫉妬事件 【3番・女帝】
城林大ミステリ研究会で、年末恒例の犯人当てイベントが開催され、サークル一の美人・赤江静流が、長身の彼氏を部室へ連れてきた当日、部室の本の上には、あるものが置かれていた。突如現れたシットを巡る尾篭系ミステリの驚愕の結末とは!?「読者への挑戦」形式の書き下ろし短編、「三つの質疑」も特別収録。
まさか、ミステリで「あれ」を使うとは思いもよらなかったぞ……。
ある意味、驚愕の一冊だな。こんな本は読んだことない。
嫉妬事件、ってそういう意味なんですね……。
う……。本当に「あれ」を真剣に取り組むとは……。臭くなってきたような。
最後に
イニシエーション・ラブがシリーズ作品とは、私も調べるまで知りませんでした。
でも、好きな作品が実はシリーズだった、というのは視野が広がり、嬉しい気持ちになりませんか?
そこから色んな本に手が伸びて、面白い作品に巡り合えるのは本好きとしては喜ばしいですよね。
もっと色んな本と出合えるようにこれからも視野を広げていきたいです(*'▽')
