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【継ぎ接ぎの幽霊屋敷】〝わざと忌み家を建てて棲む〟三津田 信三―――事故物件を集めた曰く付きの屋敷


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前回に引き続き、三津田信三「幽霊屋敷シリーズ」を紹介するぞ。

え゛。
また、ホラー小説ですか……。もう眠れない日々が続いてるんですが。

じっとりした夏にはピッタリな作品だろう。
表紙からして、悪寒を感じるよな。読む前からドキドキするなぁ。

(聞けよ、このたぬき野郎……)

概要

 

「幽霊屋敷って一軒だけで充分に怖いですよね。それが複数ある場合は、どうなんでしょう」知り合いの編集者・三間坂が作家・三津田の元に持ち込んだのは、曰くある物件を継ぎ接ぎした最凶の忌み家、そしてそこに棲んだ者達の記録。誰が、何の目的でこの「烏合邸」を作ったのか?怖すぎると話題の「幽霊屋敷」怪談、再び!(「BOOK」データベースより)

 

個人的ポイント

 

登 場 人 物 : やっぱりメインは2人だけなので覚えやすい。

文   章   力  : 器用に文章を使い分けていて、面白いです。

テ   ー   マ    : ちょっと特殊な幽霊屋敷をテーマにしています。

ト リ ッ ク : 継ぎ接ぎの家を使った上手なトリックだと思いました。

後   読   感  : やっぱり気持ちよくない後読感。でも癖になる。

 

事故があった家や部屋をくっつけた物件『烏合邸』。
そこに人を住まわせてレポートを書かせるという狂気的な話だぞ!

 

感想

 

事故物件ってそれだけで怖いですよね?

その上、事故物件を集めて一つの邸宅にするなんて常軌を逸してるとしか思えません。

自殺、呪い、火災……。特異な人の死に関わった家や部屋。これらを集めて、継ぎ接ぎにした家が『烏合邸』。烏合、とはよく言った物ですね。

そんな家に人を住ませてレポートや記録を取らせるなんて正気の沙汰とは思えません。だからこそ、恐怖も倍増するのでしょうが、とにかく恐ろしい。

この烏合邸も恐ろしいですが、そんな事を考える人ももっと恐ろしいです(´;ω;`)

前作から流れは同じです。

編集者の三間坂の実家の蔵で見つかった日記と訪問してきた印象に残らない女性。

曰く付きの複数の家や部屋を一軒にまとめて建て直し、その家に人が暮らすとどうなるか、という実験を行ったことがあるらしい、という話聞く。

その実験を記録したノートや媒体が蔵から4つでる。

日記だったり、手記だったり録音だったりとその方法は様々ですが、どれも恐怖そのものです。そして、巧みにそれらを書き分ける著者の筆力も相当な物ですよね。

これらの記録媒体を読み解いて、「烏合邸」の秘密を探って行くというのが本作のストーリー。

しかし、相変わらず恐ろしい。

4つの記録はどれも、というかやっぱり怖いけれど、その謎を追う著者や編集者にも怪異が降りかかる描写も恐怖そのもの。

静かな夜に読んでいましたが、小さな物音が鳴る度にびくりとしていました……。まるで自分自身も怪異に遭遇しないか冷や冷やしないかおっかなびっくりです。

そして、この烏合邸の謎が収束していく推理も見事でした。こういう要素が大好きです。

謎は謎のまま、終わらせた方がいい。こういった後読感が悪いのも背筋がぞくりとしてとても良かったです。 

 

気は確かって感じですよね。
こんな家に住む人もどうかしているし、こんな記録を読む人もどうかしている……。

 

こんな人におススメです

 

・事故物件を取り扱ったホラー小説を読みたい人。

・連作短編集を読みたい人。

・ミステリ要素が含まれたホラー小説を読みたい人。

・前作の「どこの家にも怖いものはいる」を読んだ人。