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【いじめの記録】〝絶望ノート〟歌野 晶午―――いじめグループの死は神様の仕業?


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絶望ノートについて今回は紹介するぞ。

「絶望」とは穏やかじゃないですね……。

うむ。いじめの記録を淡々と描いた作品だぞ。
そして彼が見つけた石を神様として崇めていたら、徐々に周りに不幸が……。

何それ。とっても怖いんですけど……。

概要

 

中2の太刀川照音は、いじめられる苦しみを「絶望ノート」と名づけた日記帳に書き連ねた。彼はある日、頭部大の石を見つけ、それを「神」とし、自らの血を捧げ、いじめグループの中心人物・是永の死を祈る。結果、是永は忽然と死んだ。が、いじめは収まらない。次々、神に級友の殺人を依頼した。警察は照音本人と両親を取り調べたが、殺しは続いた。(「BOOK」データベースより)

 

個人的ポイント

 

登 場 人 物 : それ程多くもなく、とても分かりやすかった。

文   章   力  : 読みやすかったです。いじめの描写が生々しかったです。

テ   ー   マ    : いじめ、だけかと思いきや愛も隠れています。

ト リ ッ ク : 「日記」という媒体を上手に使った、人を試すトリックでした。

後   読   感  : 取返しが付かない、こともある。

 

いじめの記録を淡々と書いたノートを巡る小説。
不幸に見舞われた人間たちは、本当に神様の仕業なのだろうか?

 

感想

 

600ページ以上あるというのに、とてもスラスラと読めました。さすが歌野晶午ですね。

ジョン・レノンのファンの父親が息子に付けた名前は、照音。そんな、大刀川照音(たちかわ しょうおん)が主人公です。

彼は自分の名前が発端でいつもいじめに苦しんでいた。略されて「タチション」と呼ばれてこんな名前を付けた親を恨んでいた。

そんないじめに苦しむ彼はいじめの記録を日記に記する。その名前は「絶望ノート」。

苛烈ないじめの日々を日記に記録するが、彼はとある日、偶然にもいじめグループからの暴行を阻止した「石」を神様と崇める。

「神様、○○を殺して」と願い、祈ると本当にいじめグループの主犯格が死んでしまう!

これはある意味ホラーでもありますよね……。

そして彼は自分を苦しむ原因を作る人物の不幸を次々と願って、その通りになっていく……。

本当にこれらの出来事は神様の仕業なのだろうか?

この「神様」の正体を知りたくて、グイグイと物語に引き込まれます。

そして、この「絶望ノート」 の本当の意味を知った時は、流石歌野晶午! と膝を打ちました。

トリック自体も凄いけれど、社会風刺も含まれており、考えさせられる作品でもありました。

この日記を見つけた両親の「絶望」はどれほどだったのだろうか……。

「絶望」は人から人へ感染し、伝播する。

 

「絶望ノート」にこんな秘密が隠されていたなんて……。
本当にこれは「絶望」してしまいますね。

 

こんな人におススメです

 

・願いを叶えてくれる神様の正体を知りたい人。

・いじめの生々しくも苦しい、体験を読みたい人。

・「絶望ノート」の本当の意味を知りたい人。

・600ページ以上の長編を一気読みしたい人。