雪だるまの本棚

本や自分の活動について発信します

【記憶を消す怪人】〝記憶屋〟織守 きょうや―――感動のノスタルジックホラー


スポンサーリンク

f:id:KuraMystery:20200518063632p:plain


 





 

今日はこれ。
角川ホラー文庫から出版された「記憶屋」だ。

ま、またホラーですか……。

この作品は、単なるホラー小説とは違う。
『感動するホラー小説』なんだ。

か、感動するホラーですって……。

概要

 

大学生の遼一は、想いを寄せる先輩・杏子の夜道恐怖症を一緒に治そうとしていた。だが杏子は、忘れたい記憶を消してくれるという都市伝説の怪人「記憶屋」を探しに行き、トラウマと共に遼一のことも忘れてしまう。記憶屋など存在しないと思う遼一。しかし他にも不自然に記憶を失った人がいると知り、真相を探り始めるが…。記憶を消すことは悪なのか正義なのか?泣けるほど切ない、第22回日本ホラー小説大賞・読者賞受賞作。(「BOOK」データベースより)

 

個人的ポイント

 

登 場 人 物 : 作り込んでいて、気持ちがひしひしと伝わる。

文   章   力  : 読みやすく、分かりやすい。

テ   ー   マ    : タイトル通り「記憶」 あるいは、「想い」

ト リ ッ ク : 記憶屋の正体に驚愕しました。

後   読   感  : 胸が痛くなりました。なんて切ない話だろう……。

 

ぞくり、とさせつつも、ぐっと泣ける場面もある。
こんなホラー小説があるとは、ビックリしたぞ!

 

感想

 

角川ホラー文庫から出版された『記憶屋』

ホラー、という形をとりつつも、泣けて、感動する作品でもあります。

記憶を消す怪人「記憶屋」の正体を追うのが、物語の柱。

怪人を追う中、身近な人物の記憶が消されていく、という恐怖。

自分のことを忘れてしまった、思いを寄せていた先輩。先輩の心の中から、「自分」が消えてしまった、という恐怖を上手に書いていました。

記憶を消すのは正しいことなのか?

嫌な記憶を全てを抱えてこそ、人は成長できるのではないか?

辛い記憶を消すのは、現実逃避ではないか?

自分の都合だけで、記憶を消していいのか?

こういった葛藤が全編を通して描かれていて、テーマがハッキリとしていて、読みやすく、また分かりやすい作品でもありました。

連作短編という形式をとっていて、どれも泣かせる話ばかりでした。

そして、話が進むにつれ、怪人「記憶屋」に迫っていくのだが、逆にじわじわと記憶屋に追い詰められていくような恐怖……。

これこそが、ホラーと感動の融合ですね。

そして、怪人「記憶屋」の正体とは……。ミステリー要素もあって、とても楽しく読めた作品でした。

 

なんという結末……。
こんなに切ないホラー小説があったとは……。

 

こんな人におススメです

 

・感動するホラー小説を読みたい人。

・『記憶屋』の映画を観た人。

・一気読みしたい人。

・切なくも、温かい作品を読みたい人。