はじめに
米澤穂信のデビュー作品が、この古典部シリーズの「氷菓」という作品です。
現在、米澤穂信は様々な推理小説を世に出しています。
ですが、この古典部シリーズが米澤穂信の原点と呼べる作品になっています。
もし、米澤穂信の作品を読みたいけれど、何を読んでいいか分からない……。という人はまずは、デビュー作の氷菓から読んでみては如何でしょうか?
古典部シリーズの特徴と順番
シリーズ順に読むことをおススメします!
この作品の魅力のひとつに、登場人物の成長があります。
順番通りに読んでこそ、この登場人物の成長がよく実感できるのです。ですから、登場人物たちの成長を身近に感じ、面白さを十全に味わいたいという人は、是非ともシリーズ順に読んでみて下さい。
間違って、違う順番から読んでしまっても、ひとつひとつの作品のクオリティは非常に高いので問題ないです。充分に楽しめると思います!
このシリーズの特徴としては、以下の通りです。
・青春小説と学園ミステリの融合。
・キャラクターたちの成長。
・質が高く、奥が深い謎。
・映像化(アニメ化・実写化)された作品。
ひとつでも自分に興味がある項目があれば、是非とも読んでみては如何でしょうか?
シリーズの紹介
1.氷菓
いつのまにか密室になった教室。毎週必ず借り出される本。あるはずの文集をないと言い張る少年。そして『氷菓』という題名の文集に秘められた三十三年前の真実―。何事にも積極的には関わろうとしない“省エネ”少年・折木奉太郎は、なりゆきで入部した古典部の仲間に依頼され、日常に潜む不思議な謎を次々と解き明かしていくことに。さわやかで、ちょっぴりほろ苦い青春ミステリ登場!第五回角川学園小説大賞奨励賞受賞。
米澤穂信のデビュー作品!
主人公の「折木奉太郎」とヒロインの「千反田える」たちの物語はここから始まった!
奉太郎の省エネ主義と、好奇心が強い、えるの葛藤が面白いですね!
そして、文集の「氷菓」に秘められた謎に驚きです!
2.愚者のエンドロール
「折木さん、わたしとても気になります」文化祭に出展するクラス製作の自主映画を観て千反田えるが呟いた。その映画のラストでは、廃屋の鍵のかかった密室で少年が腕を切り落とされ死んでいた。誰が彼を殺したのか?その方法は?だが、全てが明かされぬまま映画は尻切れとんぼで終わっていた。続きが気になる千反田は、仲間の折木奉太郎たちと共に結末探しに乗り出した!さわやかで、ちょっぴりほろ苦い青春ミステリの傑作。
文化祭が物語のお話。
自主制作映画の結末が不明になってしまい、古典部たちはそのラストを推理する!
文化祭とは青春小説として、王道ですよね。
この作品は映画探偵に影響を受けた作品でもあるらしいですよ!
3.クドリャフカの順番
待望の文化祭が始まった。だが折木奉太郎が所属する古典部で大問題が発生。手違いで文集「氷菓」を作りすぎたのだ。部員が頭を抱えるそのとき、学内では奇妙な連続盗難事件が起きていた。盗まれたものは碁石、タロットカード、水鉄砲―。この事件を解決して古典部の知名度を上げよう!目指すは文集の完売だ!!盛り上がる仲間たちに後押しされて、奉太郎は事件の謎に挑むはめに…。大人気“古典部”シリーズ第3弾。
とうとう文化祭が開催される!
奉太郎たちは、文化祭で起きた盗難事件の謎を追うぞ!
この作品は、古典部メンバー4人全員が語り部を務めるんですね……。
4人の視点での物語が展開して、協力してひとつの事件を追うのは熱いです!
4.遠まわりする雛
省エネをモットーとする折木奉太郎は“古典部”部員・千反田えるの頼みで、地元の祭事「生き雛まつり」へ参加する。十二単をまとった「生き雛」が町を練り歩くという祭りだが、連絡の手違いで開催が危ぶまれる事態に。千反田の機転で祭事は無事に執り行われたが、その「手違い」が気になる彼女は奉太郎とともに真相を推理する―。あざやかな謎と春に揺れる心がまぶしい表題作ほか“古典部”を過ぎゆく1年を描いた全7編。
この作品は古典部たちメンバーの1年間を描いた短編集となっているぞ!
7つも話が収録されていて、読み応え十分な作品だ!
アニメ作品ではここで終わりなんですよね……。
1年を通じて、古典部メンバーの成長が良く分かりますね。
5.ふたりの距離の概算
春を迎え高校2年生となった奉太郎たちの“古典部”に新入生・大日向友子が仮入部する。千反田えるたちともすぐに馴染んだ大日向だが、ある日、謎の言葉を残し、入部はしないと告げる。部室での千反田との会話が原因のようだが、奉太郎は納得できない。あいつは他人を傷つけるような性格ではない―。奉太郎は、入部締め切り日に開催されたマラソン大会を走りながら、心変わりの真相を推理する!“古典部”シリーズ第5弾。
古典部メンバーは高校2年生になったぞ!
そして、古典部に新メンバーが加入か?
と、思わせて直ぐに退部ってどうしてですか……。
退部の原因をマラソンを通じて、奉太郎が推理します!
6.いまさら翼といわれても
「ちーちゃんの行きそうなところ、知らない?」夏休み初日、折木奉太郎にかかってきた“古典部”部員・伊原摩耶花からの電話。合唱祭の本番を前に、ソロパートを任されている千反田えるが姿を消したと言う。千反田はいま、どんな思いでどこにいるのか―会場に駆けつけた奉太郎は推理を開始する。千反田の知られざる苦悩が垣間見える表題作ほか、謎解きを通し“古典部”メンバーの新たな一面に出会う全6編。シリーズ第6弾!
これも短編集の作品だぞ。
キャラクターたちを掘り下げている6つの話が詰まっているぞ!
短編集なのになんて濃厚な話ばかりなんだ……。
表題作品の「いまさら翼といわれても」、というタイトルがぐっと胸に刺さりますね……。
最後に
少しでも、この古典部シリーズを読んでみたい、読み返したい! と思って頂ければ幸いです。
青春小説として読んでも面白い。
推理小説として読んでも面白い。
青春ミステリ小説としては、最高峰の出来栄えだと思います!
この古典部シリーズは、古典部のメンバーが高校を卒業するまで書かれるそうですので、彼らの行く末を最後まで見守りたいと思います。
