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【長い長い怪談】〝蛇棺葬・百蛇堂<怪談作家の語る話>〟三津田 信三―――田舎の葬儀で始まる怪異


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今回は、三津田信三の蛇棺葬百蛇堂<怪談作家の語る話>の2冊を紹介するぞ。

え、2冊紹介するんですか?

そう。
実は、この2冊は上巻と下巻、と言っても差し支えない作品なんだよ。

え、なのにタイトルが違うんですか。
これは、何かワケがありそうですね……。

概要

 

 蛇棺葬 あらすじ

幼い頃、引き取られた百巳家で蛇神を祀る奇習と怪異の只中に“私”は過ごす。成長した“私”は訳あって再びその地を訪れる。開かずの離れ“百蛇堂”での葬送百儀礼で何が起こるのか?もうひとつの怪異長編『百蛇堂 怪談作家の語る話』へと繋がるホラー&ミステリ長編。著者の創る謎と怪異の世界。全面改稿版。(「BOOK」データベースより)

 

 百蛇堂<怪談作家の語る話> あらすじ

作家兼編集者の三津田信三が紹介された男、龍巳美乃歩が語ったのは、旧家、百巳家での迫真の実話怪談だった。数日後、送られてきた原稿を読んだ三津田と周囲の人々を、怪現象が襲い始める。もうひとつの怪異長編『蛇棺葬』から繋がる謎と怪異が小説の内と外で膨れあがるホラー&ミステリ長編。全面改稿版。(「BOOK」データベースより)

 

個人的ポイント

 

登 場 人 物 : 全員がどこか怪しい。それがかえって面白い。

文   章   力  : 不気味で、恐怖を煽る文章。

テ   ー   マ    : 田舎の風習と独特の葬儀。そこから生まれる怪異。

ト リ ッ ク : トリックというか、怪異の「解釈」が面白い。

後   読   感  : 恐怖、でした。だけども嵌ってしまう……。

 

なんともいえない恐怖が付きまとう作品。
読むときは覚悟して読む必要があるぞ。

 

感想

 

先程も記述しましたが、この蛇棺葬百蛇堂<怪談作家の語る話>は上下巻の関係にある作品になっています。

蛇棺葬が上巻。

百蛇堂<怪談作家の語る話>が下巻という扱いになりますので、是非とも蛇棺葬→百蛇堂<怪談作家の語る話>の順番で読んで下さい。

その方がより面白い……いや、より恐ろしく楽しめると思います。

蛇棺葬

とある男が体験した出来事を綴った作品、ということになっている。

この蛇棺葬はホラー一色の作品になっています。

とある旧家が支配する田舎が舞台となっていて、主人公の父親の実家です。

5歳と30歳過ぎに訪れた田舎で経験した恐怖を描いている。

閉鎖的な村。

権力ある一族。

田舎特有の習慣。

独特の葬儀。

不気味で不可解な山。

その地に伝わる怪異。

全体的に、暗く、不気味な雰囲気が漂っていて、それがとても恐ろしくもあり、魅力的でした。

民婆が唯一の良心。彼女が登場するだけでほっとします。

百蛇堂での出来事はあまりにも恐ろしい。ページを捲るのもしんどくなるくらいの恐怖でした。

あまりにも恐ろしい作品なので、夜に読むと寝れなくなりますし、トイレにも行けないかもしれません。

百蛇堂<怪談作家の語る話>

「蛇棺葬」の原稿を読んだ三津田信三がその原稿に書かれている怪異を追い求めていく話になっています。

こちらは、ホラー一色の「蛇棺葬」に合理的な解釈を求める、というミステリ要素もあり、読んでいて「なるほどなぁ」と思えるシーンも幾つかあります。

でも、そんなミステリ要素を一笑に付すような恐ろしさが常について回っている。

個人的には「蛇棺葬」よりも、現実感があるこちらの話の方がより恐ろしかったです。

主人公の三津田に襲い掛かる怪異。

彼の同僚や親友にも徐々に迫る恐怖……。

一番怖かったのは、玉川夜須代の恐怖体験でした。何故か怪談って又聞きの方がより恐ろしいと思うのは自分だけでしょうか?

あの「ずるっ」という音が聞こえてきそうで、もうシャワーを浴びてる時は怖くて仕方ない。

そして、最後にはある意味ショックでしたが、それ以上の恐怖でした。

ホラー7:ミステリ3ぐらいの割合の作品でした。

まるで呪いに掛かったように、どっぷりとハマることが出来た作品でした。

 

怖い。
本当に怖い体験をしたい人は是非とも読んでみて下さい。

 

こんな人におススメです

 

・ホラーミステリを読みたい人。

・がっつりとホラーを楽しみたい人。

・ホラーとミステリが交わる世界を楽しみたい人。

・作家三部作シリーズを読んでいる人。