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【ロードレースの世界】〝サクリファイス〟近藤 史恵―――大藪春彦賞受賞作品!


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今回はロードレースをテーマにした「サクリファイス」を紹介するぞ。

ロードレースって、自転車の競技ですよね?
まったく知識がないんですが、大丈夫ですか?

問題ないぞ! 主人公も全くの初心者から始めた競技で丁寧に説明してくれる。

それならぼくも楽しめそうですね!

概要

 

ぼくに与えられた使命、それは勝利のためにエースに尽くすこと―。陸上選手から自転車競技に転じた白石誓は、プロのロードレースチームに所属し、各地を転戦していた。そしてヨーロッパ遠征中、悲劇に遭遇する。アシストとしてのプライド、ライバルたちとの駆け引き。かつての恋人との再会、胸に刻印された死。青春小説とサスペンスが奇跡的な融合を遂げた!大藪春彦賞受賞作。(「BOOK」データベースより)

 

個人的ポイント

 

登 場 人 物 : 全員が魅力に溢れている。格好良い。

文   章   力  : とても読みやすい。すらすらと読めました。

テ   ー   マ    : ロードレースにかける男たちの意志。

ト リ ッ ク : 競技の中に潜む動機。選手の想い。

後   読   感  : 晴れやか、という気持ちもありながら、どこかやるせない。

 

丁寧にロードレースの解説をしてくれるので、誰にでも分かりやすい。
アッという間に読み終えてしまったぞ。

 

感想

 

まるで自分自身もロードバイクに乗っているような作品でした。

文章が読みやすく、すいすい軽快に進む。どこか爽快感さえある文章です。

そして、ただ平坦な物語だけではなく、勾配があり、緩急がある。とてもメリハリがある小説で、そのまま一気に読んでしまいました。

前半は青春小説一色になっていて、ロードレースという競技、そして主人公たちのロードレースにかける想いが衝突しあってかなり読み応えが充分。

ですが、3年前の事故を主人公が知り、徐々に黒い霧のようなものが立ち込めてきます。

後半はとあるレースの最中に事故が起こります。

単なる事故と思いきや、その事故の裏には思いがけない思惑が潜んでいて、ドキドキしながら読み進めました。

そして、最後まで解説されることがなかった「サクリファイス」というタイトル。

辞書で引いてみるとそこには「犠牲」と書いてありました。

確かにこの小説にぴったりのタイトルだと思います。

勝利のために、チームの犠牲になること。それが主人公に与えられた使命。

そして、ロードレースの最中に起きた事故の真相も実は「犠牲」が孕んでいたのです。

 

「サクリファイス」という意味を知った時は、思わず鳥肌が立ちました……。

 

こんな人におススメです

 

・ロードレースに興味がある人。

・青春小説と推理小説の融合に興味がある人。

・あっという間に読み切りたい、という人。

・大藪春彦賞受賞作に興味がある人。