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たぬき探偵のミステリ講義 ~ノックスの十戒とその作品紹介~


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ノックスの十戒とは?

「ノックスの十戒」という言葉を知っているかね? にわとり君。

はて? 初耳ですね。何かの料理でしょうか?

君に聞いた私が馬鹿だったよ……。

(だったら聞くなよ……)

「ノックスの十戒」とは推理小説におけるルール。基本指針だ。

そういった推理小説のルールが10個あるって事ですか?

もちろん、全ての推理小説がこの「ノックスの十戒」を遵守している訳ではない。

え? そうなんですか?

意図的に「十戒」を破った作品や、それを逆手にとったトリックを用いた作品も数多く存在しているのだよ。

むむむ。奥が深い……

 

ノックスの十戒

    1. 犯人は物語の当初に登場していなければならない
    2. 探偵方法に超自然能力を用いてはならない
    3. 犯行現場に秘密の抜け穴・通路が二つ以上あってはならない(一つ以上、とするのは誤訳)
    4. 未発見の毒薬、難解な科学的説明を要する機械を犯行に用いてはならない
    5. 中国人を登場させてはならない
    6. 探偵は、偶然や第六感によって事件を解決してはならない
    7. 変装して登場人物を騙す場合を除き、探偵自身が犯人であってはならない
    8. 探偵は読者に提示していない手がかりによって解決してはならない
    9. サイドキック(助手)は自分の判断を全て読者に知らせねばならない
    10. 双子一人二役は予め読者に知らされなければならない

 

ノックスの十戒についての補足

どうだ? 推理小説において「当然」なルールばかりだろう。

よく分からない項目があるんですが……。
この「中国人を登場させてはならない」って何ですか?

これは、当時(20世紀初頭)イギリス人たちにとって東洋は未知の文化であり、
東洋人の多くは奇術を使うと思われていたんだ。。

そんな背景があったんですね……。納得です。

現代ではこの「ノックスの十戒」を全て守っている作品のほうが少ないだろうな。

確かに律儀に守っている作品は少ないように感じます。

だが、いわゆる「犯人当て」(読者への挑戦)の推理小説では「十戒」を守っている作品は多いぞ!

 

www.snowman-bookshelf.com

 

 

ノックスの十戒を扱った作品

「ノックスの十戒」を扱った作品を紹介するぞ!

意外と少ないですね……。

「十戒」そのものが登場する作品は多くないのだよ……。

 

 1.ノックス・マシン

 

2058年4月、上海大学で20世紀の探偵小説を研究していたユアン・チンルウは、国家科学技術局から呼び出される。博士論文のテーマ「ノックスの十戒」第5項が、史上初の双方向タイムトラベル成功に重要な役割を担う可能性があるというのだ。その理由を探るべく、実験に参加させられた彼が見たものとは―。表題作「ノックス・マシン」、名探偵の相棒たちが暗躍する「引き立て役倶楽部の陰謀」などを含む中篇集。

   

ノックスの十戒を語る上では、絶対に読んで欲しい作品だ。

「ミステリ」というよりも「SF要素」が強い作品になっていますね。

 2.インシテミル

 

「ある人文科学的実験の被験者」になるだけで時給十一万二千円がもらえるという破格の仕事に応募した十二人の男女。とある施設に閉じ込められた彼らは、実験の内容を知り驚愕する。それはより多くの報酬を巡って参加者同士が殺し合う犯人当てゲームだった―。いま注目の俊英が放つ新感覚ミステリー登場。

   

ノックスの十戒をアレンジして、上手に取り入れた作品だ!

作品の面白さも抜群の一冊になっていますね!

 3.うみねこのなく頃に

 

1986年10月、伊豆諸島に浮かぶ小さな孤島“六軒島”。年に一度の親族会議のために集まった大富豪“右代宮家”の人々。議題は、余命あとわずかと宣告された当主・金蔵の遺産問題。互いに腹を探り合う大人たちと、無邪気に再会を喜ぶ子供たち…。だが、台風が近づき不吉な暗雲に六軒島が包まれる時、魔女伝説は蘇り、血も凍る惨劇の幕が上がる―。同人ゲームのシナリオをもとに著者自らが全面改稿し、小説化。

   

同人ゲームを小説化した作品だぞ。

調べてみたら、かなりのボリュームがありますね。読み切るのが大変そうです……。

 4.ノックス師に捧げる10の犯罪

 

10の短篇の主人公は、チェコ出身、容姿端麗、頭脳明晰、お色気過剰とおせっかいが玉にキズ、のイヴ・アダム嬢。国営の芸能エージェントとの契約によって、世界をまわって巡業することになったナイトクラブ歌手だ。なぜか行く先々で犯罪にまきこまれてしまう彼女は、そのたびにブロンドの髪に包まれた灰色の脳細胞をうごめかして事件を解決していく。古典のパロディあり、パスティーシュあり、ゲーム的興趣を満載して、チェコの文豪が贈る痛快連作集。

   

10個の短編が収録されている作品だ。

10個の作品が十戒とリンクしているんですね。これは面白そうです。

 

最後に

みなさんが、普段読んでいる推理小説にこんなルールがあったなんて、知りませんでしたか?

もし「犯人当て」(読者への挑戦)の推理小説を読む際は、この「ノックスの十戒」を意識して読んでみるとまた違った面白さがあるかもしれません。

他にも「ヴァン・ダインの二十則」というルールがあるのですが、それはまたの機会にご紹介致しますね。

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