お、恐ろしい小説だったぞ……。
またホラー小説を読んだんですか。懲りないですね。
今回は「ぼぎわんが、来る」の続編を読んだぞ。
今度はどんな恐怖を我々に与えてくれるんでしょうか……。
概要
不審死を遂げたライターが遺した謎の原稿。オカルト雑誌で働く藤間は後輩の岩田からそれを託され、作中の都市伝説「ずうのめ人形」に心惹かれていく。そんな中「早く原稿を読み終えてくれ」と催促してきた岩田が、変死体となって発見される。その直後から、藤間の周辺に現れるようになった喪服の人形。一連の事件と原稿との関連を疑った藤間は、先輩ライターの野崎と彼の婚約者である霊能者・比嘉真琴に助けを求めるが―!?(「BOOK」データベースより)
個人的ポイント
登 場 人 物 : 分かりやすくて、混乱することはなかったです。
文 章 力 : 読みやすく、恐怖を煽る文体がとても良かったです。
テ ー マ : 人の怨念や執念深さ。
ト リ ッ ク : え、と驚きました。まさかのずうのめ人形の正体に唖然。
後 読 感 : 思わず目を逸らしたくなるような結末でした……。
場面の動きがテンポよくて、すいすいと読み進められる。
そして、ホラー小説としての恐怖も健在だ!
感想
一気読みした作品でした!
デビュー作の「ぼぎわんが、来る」があまりにも傑作だったので、どうやって前作のハードルを越えてくるのか、と一抹の不安はあったのですが、そのハードルを軽々と超えてきました。
前作から感じていたのですが、この作家って「人」と「ホラー」を融合させるのが非常に上手ですよね。
従来のホラー小説って、怪異や超常現象が襲い掛かってきてその現象自体は曖昧だったような気がするんですよ。それはそれで、面白いし、恐怖を煽るように創っているのは分かっていますが。
ミステリ読みの私としては、 そのホラー要素に合理的解釈があった方が好みです。
そういった意味ではこの「ずうのめ人形」は上手にミステリ要素が融合されていて、とても楽しく読めました。
読んだら、4日後に死んでしまうという呪われた私小説。
読んだ人物には、その私小説に登場する「ずうのめ人形」という呪われた人形が日に日に近づいてきて、最後には目をくり抜かれて死んでしまうという……。
この「私小説」の謎を追い、呪いを解くために前作のヒロイン(?)比嘉真琴たちが奔走します。
この「私小説」を書いたのは誰か?
「ずうのめ人形」とは何か?
「呪い」はどうやって生まれたのか?
これらの謎を追うのは面白くもあり、怖くもありました。
個人的に一番ぞっとしたポイントは「ずうのめ人形」の正体を知った時ですね……。
「ずうのめ人形」がこんな正体だったとは……。
読んでみて、その正体を確かめて下さい。
こんな人におススメです
・ホラー小説を読みたい人。
・ホラー小説を一気読みしたい人。
・ミステリー要素があるホラー小説を読みたい人。
・前作、「ぼぎわんが、来る」を読んだ人。