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【悪夢の国へ再び】〝クララ殺し〟小林 泰三―――メルヘンシリーズ弟2弾


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まさか、またあの世界観を楽しめるとは思ってみなかったぞ。

「アリス殺し」の続編! あの不思議でグロイ世界かまたやってきたんですね。

私の感触ではメルヘン成分よりも、ミステリに寄せてきた作品だな。

でも「あの世界観」はそのまま引き続がれたままなんですね。どんな作品に仕上がっているか楽しみです!

概要

 

ここ最近、奇妙な生き物やアリスという少女が暮らす不思議の国の夢ばかり見ている大学院生の井森建は、ある晩、いつもとは違って、緑豊かな山の中でクララと名乗る車椅子の美少女と出会う夢を見る。翌朝、大学に向かった井森は、校門の前で、同じ姿の少女くららに呼び止められる。彼女は何者かから命を脅かされていると訴え、井森に助力を求めた。『アリス殺し』まさかの続編登場。(「BOOK」データベースより)

 

個人的ポイント

 

登 場 人 物 : 多いかも。そしてカタカナなので覚え辛いかも?

文   章   力  : ホフマン宇宙での会話に苛々する人もいるかも。

テ   ー   マ    : 本当の自分とは? 

ト リ ッ ク : あるトリックを上手に使った作品でした。

後   読   感  : まだまだシリーズは続いているので、続編も楽しみです。

 

私にとってはあまり馴染みのない、キャラクターが登場!
ホフマン好きなら是非とも読んで欲しい一冊だぞ。

 

感想

 

どうやって、あの「アリス殺し」の続編を描いたのだろう? と期待して読み始めました。

続編、というよりも前日譚? あるいはパラレルワールドのような作品に仕上げていて、前作を必読!という訳ではありませんでした。なので、この作品から入っても問題はありません。

「クララ殺し」というタイトルで、更に車椅子に乗って登場するものだったので、てっきり下敷きは「アルプスの少女ハイジ」なのかな、と思いましたが、これは単なるサービスだったようです(笑)

本当は「エルンスト・テオドール・アマデウス・ホフマン」の物語たちを下敷きにしている作品でした。

有名な作品は「砂男」や「くるみ割り人形とねずみの王様」でしょうか。その登場人物のひとりが「クララ」ということらしい。恥ずかしながら、あまりホフマンの作品を読んだことない私は最初の方は戸惑ってしまいました。

そんなホフマンの登場人物たちが住む「ホフマン宇宙」と「地球」で繰り広げられる頭脳ゲームは相変わらず面白かったです。

前作よりもグロさはなくなりましたが、物語(トリック)はより複雑になっており、読み応えはかなり抜群。

自分は「アリス殺し」よりも「クララ殺し」の方が好みかもしれません。

トリックは「地球」=「ホフマン宇宙」のリンクを扱ったモノ。

「絶対に入れ替わっている」

「誰かが誰かのフリをしている」

と思っていましたが、 予想の斜め上をいくトリックに驚きでした。まさか、こうも上手くリンク(アヴァタール)を利用しているとは思いもよりませんでした。

益々次作の「メルヘンシリーズ」に期待が膨らみます!

 

あぁ、頭が混乱してきました……。
でもこの頭がぐちゃぐちゃになるような感覚がまた面白い。

 

こんな人におススメです

 

・ホフマンの話が好きな人。

・常に頭を回す、複雑な物語を読んでみたい人。

・ちょっと普通とは違うミステリを読みたい人。

・「アリス殺し」の続編を読みたい人。

 

 

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