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【映画大ヒット!】〝天気の子〟新海 誠―――僕たちは、大丈夫。


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映画では賛否両論という評価らしいが、私は断然「賛」の方だな。
小説を読んで、更にその思いが強くなったよ。

おぉ「天気の子」ですね。ぼくも観ましたよ!

映画を観て「否」の感想を持った人も、是非とも小説版を読んで欲しいな。

そんな小説版はおススメなんですか?

概要

 

全世界待望の新海誠監督最新作『天気の子』、監督みずから執筆した原作小説

高校1年の夏、帆高(ほだか)は離島から家出し、東京にやってきた。連日降り続ける雨の中、雑踏ひしめく都会の片隅で、帆高は不思議な能力を持つ少女・陽菜(ひな)に出会う。「ねぇ、今から晴れるよ」。それは祈るだけで、空を晴れに出来る力だった――。天候の調和が狂っていく時代に、運命に翻弄される少年と少女が自らの生き方を「選択」する物語。長編アニメーション映画『天気の子』の、新海誠監督自身が執筆した原作小説。

 

個人的ポイント

 

登 場 人 物 : 映画よりもキャラが深く掘り下げられていた。

文   章   力  : 懸念していましたが、普通に上手でした。

テ   ー   マ    : 社会は誰かの犠牲の上で、成り立っている。

        それを誰もが気づかない振りをして生きている。

後   読   感  : もう彼らは大丈夫だ、とどこか安心して本を閉じました。

 

映画にはなかった、小説ならではの面白さがここに詰まっているぞ。
映画ファンにも堂々とおススメできる一冊だ!

 

感想

映画も観ておりますので、映画と小説版を交えて感想を書きたいと思います。

小説「天気の子」

新海誠監督自身が執筆した、という小説「天気の子」

映画監督として、小説を書くのか。大丈夫だろうか? と上から目線でした(何様だ)

映画の小説版って外れの作品もありますからね。いまいち、映画のように盛り上がらないというか、冷めた感じがあるんですよね。

しかし、読んでみると全くの杞憂でした。

文章も上手。比喩は的確。登場人物が深く掘り下げられている。ぐいぐい読ませる展開。

まったくあの傲慢な読む前の自分を殴ってやりたいです。

あとがきにも書いてありましたが、映画と小説は全く「効果」が違う。

映画は映像、音楽、物語とあるが、小説は文章だけでそれらを表現しなくてはいけない。だからこそ、「伏線」あるいは「展開」、「演出」が映画とは異なるんですよね。

その絶妙な加減がとても上手に感じました。

映画にも負けないくらい演出を施していて、盛り上げる所は盛り上げて、感動させるシーンは感動させる。これは新海誠の力量だと思いました。

これぞ「映画を小説化した作品」だと、声を大にして言えます。

映画では拾いきれない、物語の伏線や小ネタが詰め込まれているので、またもう一度映画を観たくなるような小説でもありました。

映画「天気の子」

劇場で観た時の率直の感想は「これは賛否が分かれるだろうな」と、どこか冷めた感情でした。

単純なハッピーエンドではないですからね。大衆はハッピーエンドを求める傾向にあると思っていますから。

だからこそ、単純なハッピーエンドにしなかった監督自身の凄い覚悟と決意が伝わってきました。物語をハッピーエンドにすることは簡単です。ですが、それを敢えてせず、賛否分かれる結末にしたのが、監督の決意の表れでしょう。

敢えて、こんな結末にしたのは、私は「若者へのメッセージ」と捉えました。

自分の立場、周りの意見、社会の信頼。それに犠牲。

こういった、野次や雑音は気にせず、自分の信じた重いを胸に真っ直ぐ進め。

ひた向きな思いを応援する映画だと感じました。そして、それらも監督自身の投影だな、と。

特に終盤の線路を走るシーンなんて、正にそれ。

電車は「一度乗ったら降りれない」だから「運命」というメタファーとしてよく使われています。

主人公の帆高は、笑われても、非難されても、追いかけられても、その線路をひた走る。

「自分の運命」は、誰がなんと言おうが抗って進んでやる。という固いメッセージ。

それが監督自身にも繋がっており、自分の好きな作品を作ってやる! と作品を通じて、我々に訴えているのではないでしょうか?

だからこそ、あの結末になったんじゃないかな。と、自分は思いました。

最後に、帆高の台詞。

「僕たちは、大丈夫」

これはきっと、帆高と陽菜のことだけじゃない。我々、そして監督自身に向けた言葉でしょう。

あくまで自分が感じ取った、感想なので真に受けないように(笑)

そして、映像が美しいの一言に尽きる。

この映像美を観るだけでも、この映画を観る価値はあるんじゃないでしょうか。

 

前作「君の名は。」との対比

前作の「君の名は。」との色々と対比になっている作品だな、と思いました。

「君の名は。」では、主人公の瀧が都会育ち。ヒロインの三葉は田舎育ち。

「天気の子」は反対に、主人公の帆高が田舎。ヒロインの陽菜は都会で育つ。 

また「都会」の描き方がまた違うものになっていました。

前作では「キラキラした憧れの都会」というイメージでしたが、今回は暗く、怖い都会を見せている。

特に、あのオカルト雑誌の事務所なんて「半地下」という設定。まるで貧困層を表現しているようでした。実際に成功してからは高いビルに事務所を移していますしね。

アカデミー賞を受賞した韓国映画「パラサイト」を思い出させますね。

そして「災害」も今作のテーマだと思いました。

前作では「隕石」を回避する為に奔放しましたが、今回は「止まない雨」という災害を回避するのではなく、受け止めている。

これからの地球は様々な災害に向かい合わなくてはいけない。

それらを回避するのではなく、正面から受け止めて、どうやって対処するのか、どう向き合っていかなくてはいけないのか。そう私には伝わりました。

前作の「君の名は。」とは様々な対比を見せる事で、ある種の「回答」を我々に提示させたのではないか、と思いました。

 

感動しました。
単純のハッピーエンドで終わらないのが、ぼくは逆に好感を持ちました。

 

こんな人におススメです

 

・映画を観た人。

・より深く「天気の子」を理解したい人。

・小説で「天気の子」を触れたい人。

・新海誠のファンの人。