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【幸せに向かって】〝まっすぐ進め〟石持 浅海―――作者の異色恋愛ミステリ


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こんな恋愛ミステリ小説を読んだのは初めてだ……。

異色の恋愛ミステリ、とありますね。一体どんな変わった話なんですか?

うむ。物語は主人公の直幸が本屋で見かけた「透明感」ある秋を見掛ける所から始まる。
その秋という女性は、腕時計を2つ付けていたんだ。

何故、そんな事を……。そこから、2人の仲が深まっていく、という感じなのかな。

概要

 

僕が書店で一目惚れした美しい女性・高野秋。彼女は左手首にいつもふたつの時計をはめている。そして僕は気づいてしまった。彼女にきざす孤独の影に…。ふたつの時計に隠された、重大な秘密。恋人たちを襲う衝撃の真実とは?日常の謎から人の心の綾をロジカルに解き明かす、異色の恋愛ミステリー。東川篤哉によるショートショート「鵜飼と朱美のまっすぐ進まない解説」収録。(「BOOK」データベースより)

 

個人的ポイント

 

登 場 人 物 : 主要人物は4人だけ。しかもその内のメインは2名だけ。

文   章   力  : しっかりと地に足がついた文章。読みやすい。

テ   ー   マ    : まっすぐ進む。その進み先は?

ト リ ッ ク : 小さな伏線を回収して、ひとつの推理に結びつけるのは流石。

後   読   感  : 直幸と秋には幸せに向かって歩いて欲しいです。

 

作品自体はページも少な目で、とても読みやすい。
しかしテーマは重く、深く考えさせられる一冊になってるぞ。

 

感想

 

私は、いつも石持浅海作品を読むと何故か「ウミガメのスープ」を連想してしまう。

 「ウミガメのスープ」は、推理ゲームのひとつです。ひとつの出来事から、あれやこれと連想、議論し、推理を行うというのが基本ですが、その「ウミガメのスープ」と石持浅海作品が近いな、と思ってしまう。

例えば、一話目の「ふたつの時計」は、主人公が書店で見かけた美女(ヒロイン)が、何故、腕時計をふたつしているのか? と推理する話。

友人たちと、ああだ、こうだと推理をするが、納得する仮説は生まれず。途中から、その美女――秋――かヒントをくれ、後日主人公の直幸が秋を呼び出して推理を披露する。

・・・・・・どこか、「ウミガメのスープ」と似てませんか?

謎は「必要最低限」。

しかし、その謎には一言で片付けられない、深い理由が込められている。

こんな形の話が5つ収録されています。(少し「ウミガメのスープ」とは違う話もありますが)

入り組んだ人の心という鎖を華麗に解きほぐしてゆく。そんな推理小説でした。

重たい過去を背負ったヒロインですが、やっぱり彼女には、主人公の川端直幸がお似合いですね。

 

解説は「謎解きはディナーの後で」で一躍有名となった「東川篤哉」によるショートショート「鵜飼と朱美のまっすぐ進まない解説」を収録している。笑わせる解説って中々ないんじゃないでしょうか(笑)

東川篤哉氏のファンなら、これだけで購入の価値ありの作品かもしれまん。

 

確かにちょっと変わった恋愛ミステリですね。
ふたりだけの「愛」がここにありました。幸せになって欲しい。

 

こんな人におススメです

 

・ちょっと変わった恋愛ミステリを読みたい人。

・連作短編集を読みたい人。

・サクッと小説を読みたい人。

・「ウミガメのスープ」が好きな人。