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たぬき探偵のミステリ講義 ~叙述トリック~


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叙述トリックとは

さて。
それでは『叙述トリックの講義』を始めようか、にわとり君。

よろしくお願いします。

『叙述トリック』とは何か、分かるかね?

い、いえ。そもそも読み方が分かりません……。

『叙述(じょじゅつ)』と読むんだ!
日本語の勉強からやり直すか!?

すいません……。

因みに辞典で「叙述」とは下記のように定義されているみたいだ。

[名](スル)物事について順を追って述べること。また、その述べたもの。「事件をありのままに叙述する」

はぁ、ピンときませんね。
普通の推理小説って感じがしますけども。

確かに辞典の「叙述」と推理小説でいう所の『叙述トリック』とは意味が全然違う。
推理小説では、下記のような説明になっている。

文章の記述上の仕掛けによって、読者をわざと誤認に導くもの。一般に、記述から想像される人物像や犯人像に関する読者の先入観を欺くものが多い。

はぁ、やはり、ピンときません。
もっと噛み砕いて説明して下さいよ。

普通のトリックは、犯人が探偵や警察にトリックを施すものだ。
しかし、叙述トリックは「作者が読者」に対して仕掛けるトリックだと思ってくれ。
簡単にいうと、読者の「思い込み」を利用するトリックだ。例えば……。

・女性だと思っていた登場人物が男性だった。

・現在の話だと思っていたら、実は過去の話だった。

・主人公が探偵だと思っていたら、殺人鬼だった。

・・・・・・こんな感じかな。
読者には、必要最低限しか伏線を与えずトリックを仕掛ける推理小説だ。
そのトリックの性格上、「アンフェアな作品」といわれることもある。

そんなアンフェアな作品を好んで読んだりする人がいるんですか?

もちろんだ。
それでは、そんな叙述トリックの魅力を伝えていくぞ!

叙述トリックの魅力

アンフェアな作品だからこそ、騙された衝撃が強い。
予期せぬ場所から、頭を殴られたような衝撃を味わえるのだ!

 

・小説だからこそ味わえるトリック

まぁ、映画や漫画でも「叙述トリック」を扱った作品は確かに存在する。
しかし、小説の方が数が多いのは違いない。
映画や漫画と違い「文章」だからこそ、叙述トリックが活かせるのだよ。

なるほど。小説だからこそ、味わえるトリック何ですね。

 

・登場人物にとって、自明の事実を読者に対して隠蔽する

例えば作者が登場人物のひとりを「A丸」を「男性」と誤認させる叙述トリックを使うとする。
しかし、登場人物たちはその「A丸」は「女性」として周知しているのだ。

その「A丸」の見た目が男性みたいで、登場人物たちが全員男性だと思い込んでいたというのは?

それは、叙述トリックではなく、「どんでん返し」だな。

う。難しい・・・・・・。

 

・地の文で虚偽の記述をしてはいけない

これも先程のものと似ているので、「A丸」を例に挙げてみるぞ。
簡単にいうと地の文では、「A丸」の事を「彼」と記述してはいけないのだよ。

本当は「A丸」は女性だから、地の文では「彼女」と記述しなくてはいけない、ってことですか?

その通り。
だが「彼女」なんて記述を使えば直ぐに読者に勘付かれる。
だから作者は工夫するのだよ。例えば「彼ら」とぼかしたり、「A丸」と直接記述したりな。

むむむ。これぞ作者の力量が試されますね・・・・・・。

叙述トリックの一例

叙述トリックの作品の一例を紹介するぞ!

もちろん一例ですから、例外も存在しますよね・・・・・・。深いですね。

 

登場人物の誤認

 性別の誤認……男性だと思っていたが、女性だった。逆も然り。

 年齢の誤認……高齢だと思っていたが、まだ若かった。逆も然り。

 人物そのものの誤認……ひとりの登場人物を複数に見せたり、逆も然り。

 

行為や心理に関する誤認

 語り手の行動をわざと記述しない、描写を曖昧にして、別の行動に見せかける

 ……殺人を犯しているのに、わざとその描写を描かない。

 

時間の誤認

 現在だと思っていたが、実は過去の話だった。

 別々の章を語り、同時進行だと思わせるが、実は違う時系列の話だった。

 1章→2章→3章……、で進む物語だと思ったが、……3章→2章→1章という時系列だった。

 

場所の誤認

 日本で起きた事件だと思ったが、 実は外国で起きた事件だった。

 同じ建物で起きた事件だと思ったが、違う建物で起きた事件だった。

 

その他の誤認

 メタレベルでの誤認……パラレルワールドの世界だった。

 妄想での誤認……登場人物の内、ひとりだけが妄想に取りつかれていた。

 作中作での誤認……話がいつの間にか、作中作になっていた。

 

叙述トリックの「難しさ」

叙述トリックの作品を紹介するのは、難しいのだ。
どうしてか分かるか?

それは、楽しみが減ってしまうからですか?

その通りだ。
この作品は「叙述トリックである」というのが最大のネタバレになってしまうのだよ。

確かに「叙述トリックの作品」と認識してしまえば、「構えて」しまいますよね。
作者は何処に「叙述トリック」を仕掛けているのだろう、と……。

そうだ。最大の醍醐味が失われてしまうんだ。
だから、叙述トリックの作品を「これ叙述トリックで、面白いんだよ」なんて紹介は出来ない。

自然に「面白い本だから、読んでみて」と紹介しなくてはいけないんですね。

「男だと思っていたのが、実は女だった叙述トリックの作品だよ」なんて紹介をしては・・・・・・

最悪ですね。2重のネタバレじゃないですか!

だから「叙述トリック」の作品の紹介は慎重にな!

 

叙述トリックの作品

作品紹介は別の記事で紹介するぞ!
以下のリンクで公開中!

ネタバレ注意です! 
叙述トリックの醍醐味を味わいたいという人は決して開かないように!

www.snowman-bookshelf.com

 

www.snowman-bookshelf.com

 

 

 

最後に

叙述トリックという、ミステリでは変化球のトリックを今回紹介しました。

しかし、叙述トリックの作品はとても紹介が難しい。別記事でも、一応紹介しますが、叙述トリックを心から楽しみたい人は決して読まない方がいいです。

それでも、叙述トリックに挑戦してみたいという人は、是非とも今後紹介する別の記事を確認してみて下さい!

 

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