摩訶不思議な世界観へようこそ。
こんどはどんな小説を紹介してくれるんですか?
とある短編の新人賞を受賞した作品だ。
真夜中に何故か営業している床屋・・・・・・。どこか幻想的じゃあないか?
ぼくにとっては、幻想的っていうよりもホラーなんですけど
概要
慣れない山道に迷い、無人駅での一泊を余儀なくされた大学生の佐倉と高瀬。だが深夜、高瀬は駅前の理髪店に明かりがともっていることに気がつく。好奇心に駆られた高瀬が、佐倉の制止も聞かず店の扉を開けると…。第4回ミステリーズ!新人賞受賞作の「夜の床屋」をはじめ、奇妙な事件に予想外の結末が待ち受ける全7編を収録。新鋭による不可思議でチャーミングな連作短篇集。(「BOOK」データベースより)
個人的ポイント
登 場 人 物 : あまり多くないので、覚えやすい。
文 章 力 : テンポがいいので、すいすい読める。
テ ー マ : 7つの短編を収録。それぞれテーマは違います。
ト リ ッ ク : 連作短編集ということもあって繋がっている。それがトリックともいえる。
後 読 感 : なるほど! と世界がくるりと反転するような感覚でした!
どこか不可思議な連作短編集。
独特の世界観だった! 徐々にこの世界観に引き込まれる感覚がたまらなかったぞ。
感想
夜の床屋は何故か宮沢賢治の「注文の多い料理店」を思い出しました。
そんな独特な世界観がこの小説にはありました。
なるほど「夜の床屋」は一定のクオリティを保った作品でした。
しかし、巷で話題になっている作品がこの程度の筈がないっ!、という変な確信がありました。このままでは「日常の謎」の延長で終わってしまう。
どこかに凄いトリックが隠されているに違いない。と読み進めました。
そして・・・・・・。
この作品には7つの短編が収録されており、後半の4から様相が変わって来ました!
それぞれ独立した作品なのですが、1つの中編として読めるのです。この時点で連作短編集だとは思ってもいませんでした。
最後の「エピローグ」を読むと。
今まで読んでいた世界ががらりと姿を変え、開いた口が塞がりませんでした・・・・・・。
まさかこんなトリックが仕掛けられているとは!
自信を持って進められる、連作短編集です!!
全く警戒していなかった所に、いきなりパンチが飛んできたみたいな衝撃でした。
確かに話題になっていただけはありますね・・・・・・。
こんな人におススメです
・連作短編集を読みたい人。
・ミステリーズ新人賞をチェックしている人。
・学生の日常の謎を読みたい人。
・サクッと短編を読みたい人。