あの、澤村伊智がミステリー小説を書いたぞ。
確か・・・・・・。ホラー作家でしたよね。
うむ。よく覚えているな。
もちろんがっつりとホラー要素も取り入れている作品だ!
ミステリも王道のクローズドサークル! 読まない訳にはいかないだろう。
うぅ、またホラー要素があるのか・・・・・・。
概要
瀬戸内海に浮かぶ霧久井島は、かつて一世を風靡した霊能者・宇津木幽子が生涯最後の予言を遺した場所だ。彼女の死から二十年後、“霊魂六つが冥府へ堕つる”という―。天宮淳は幼馴染たちと興味本位から島へ向かうが、宿泊予定の旅館は、怨霊が下りてくるという意味不明な理由でキャンセルされていた。そして翌朝、幼馴染のひとりが遺体となって発見される。しかし、これは予言に基づく悲劇のはじまりに過ぎなかった。不思議な風習、怨霊の言い伝え、「偶然」現れた霊能者の孫娘。祖母の死の真相を突き止めに来たという彼女の本当の目的とは…。あなたは、真実に気づくことができるか―。比嘉姉妹シリーズ著者初の長編ミステリ。(「BOOK」データベースより)
個人的ポイント
登 場 人 物 : 登場人物はそれほど多くなく、誰だか分かりやすい。
文 章 力 : ん? 少し読みづらいな……?(実は、伏線になっていたり・・・・・・)
テ ー マ : 予言、束縛というのがテーマ。
ト リ ッ ク : 単純にびっくり。意表を突いたトリックでした。
後 読 感 : 少し胸が悪くなりましたが、希望が残る終わり方。
帯には「令和初の絶叫本」という煽り文句。
絶叫というよりも、私は絶句してしまいました。まさか、こんな結末とは・・・・・・。
感想
ミステリー7、ホラー3ぐらいのだと感じました。
物語の舞台は、とある霊能力者が予言を遺して、死んだとされる霧久井島。その予言とは20年後に「霊魂六つが冥府へ堕つる」という物騒なもの。
そして、主人公たちは面白半分で、その島へと向かい、幼馴染が遺体として発見される・・・・・・。
ミステリとホラーを上手に融合していますね。
じわじわと恐怖がにじり寄ってきて、そこで起こる殺人!
この殺人は果たして、予言の所為なのか? それとも怨霊?
偶然起きた事故? あるいは殺人? 予言を模した計画殺人?
うー・・・・・・ん。考えさせられますね。
呪いや予言などは、かけられた人間が信じた瞬間に現れるんだなと、再認識させられました。
正直、あまり怖くないなと思いながら読んでいましたが、最後の最後ではぞっと鳥肌が立ち、絶句しました。まさかこんな形のホラーがあるとは思っていませんでした。
著者はミステリーが初めてということもあり、どこか手探り感がありましたが、充分面白い作品に仕上がっていました。
1度目はミステリー。2度目はホラーという紹介文に偽りはないですね・・・・・・。
最後の結末を読んでみると確かにこれは、ホラーです。
こんな人におススメです
・ホラーミステリが好きな人。
・古い因習が残る土地、という設定が好きな人。
・著者のホラー小説が好きな人。
・クローズドサークルが好きな人。