今回はこのホラー小説「のぞきめ」を紹介していくぞ。
私の感覚でいえば、これはホラー7割、ミステリ3割ぐらいの割合かな?
またホラーか・・・・・・。ってこの作家、たぬき探偵のお気に入りですね。
お、気が付いたか。
そうだな。お気に入りの作家ベスト10に入っている、と言っても過言ではない。
今度はどんな恐怖がぼくを襲うのだろうか・・・・・・。
概要
辺鄙な貸別荘地を訪れた成留たち。謎の巡礼母娘に導かれるように彼らは禁じられた廃村に紛れ込み、恐るべき怪異に見舞われる。民俗学者・四十澤が昭和初期に残したノートから、そこは“弔い村”の異名をもち“のぞきめ”という憑き物の伝承が残る、呪われた村だったことが明らかとなる。作家の「僕」が知った2つの怪異譚。その衝撃の関連と真相とは!?何かに覗かれている―そんな気がする時は、必ず一旦本書を閉じてください。(「BOOK」データベースより)
個人的ポイント
登 場 人 物 : 登場人物も少な目で覚えやすい。
文 章 力 : 恐怖を煽るような文章。好きです。
テ ー マ : のぞきめ。と呼ばれる怪異。
ト リ ッ ク : まんまと作者の思惑に嵌ってしまった・・・・・・。
後 読 感 : しばらく「隙間」を気にして生活しなくてはいけません・・・・・・。
映画化もされた作品。
映画だけを観て期待外れだった方。是非とも本書を読んで頂きたいです。
感想
この本を読んでいて、何度手を止めた事か。
面白くないから、文章がくどいから、話が長いから、という訳ではありません。
全く反対で、とても面白い。文章も恐怖を煽ってぐいぐい引き込まれるし、ページも多めですが、それが更に良い。
ですがどうしても、隙間が気になってしまうんです。
ふとした瞬間、机の下。棚のちょっとした隙間。ベッドの下。カーテンの隙間、扉の間・・・・・・。
そこから、何かが覗き込んでいるようで、(; ゚д゚)ハッ!とさせられ、その隙間を塞ぎたくなりました。というか、思わずカーテンの隙間を何度も確かめてしまった(笑)
この本のキャッチコピー「何かに覗かれている―そんな気がする時は、必ず一旦本書を閉じてください。」にまんまと乗らされてしまいました。
現在と過去で起きる2部構成で、少し長く感じるかもしれませんが、ぐいぐい引き込まれて、そんな長さは全く気になりません。
1章では、のぞきめの呪いに晒される大学生たちが主人公。彼らが祟られていく様子を描いており、これは純粋なホラーを楽しめました。
2章は、のぞきめのルーツや伝承を探っていくというもので、どちらといえば、ミステリ要素が強め。どうしても論理的に説明がつかない怪異ですが、その現象や発生条件のルールなどを、あれこれ試行錯誤して、推測してゆく展開もミステリ要素が詰まっていてとても面白かったです。
お、恐ろしい・・・・・・。
もう隙間が気になって仕方ない! ホラー小説ばかり紹介しやがって!
こんな人におススメです
・ミステリホラー小説を読みたい人。
・廃村とか土着信仰とか、怪異譚が好きな人。
・つい隙間を気にしてしまう人。
・映画を観て気になった人。