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【もうひとりの自分】〝バイロケーション〟法条 遥 ――ドッペルゲンガーとは違う恐怖が襲う


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今日は、これを読んでみようか。

う・・・・・・。何故か嫌な予感が・・・・・・。

新感覚のホラー小説だ。

ぎゃー。ホラー小説なんて嫌だぁー。

概要

 

画家を志す忍は、ある日スーパーで偽札の使用を疑われる。10分前に「自分」が同じ番号のお札を使い、買物をしたというのだ。混乱する忍は、現れた警察官・加納に連行されてしまう。だが、連れられた場所には「自分」と同じ容姿・同じ行動をとる奇怪な存在に苦悩する人々が集っていた。彼らはその存在を「バイロケーション」と呼んでいた…。ドッペルゲンガーとは異なる新たな二重存在を提示した、新感覚ホラーワールド。第17回日本ホラー小説大賞長編賞受賞作。(「BOOK」データベースより)

 

個人的ポイント

 

登 場 人 物 : やや多い。作中「偽者」も登場するので混乱するかも?

文   章   力  : デビュー作なので、やや軽い感じ。

テ   ー   マ    : 「自分」と「偽者」をテーマにしている。

ト リ ッ ク : 「バイロケーション」という現象を上手く取り入れたトリック。

後   読   感  : 言葉を失うような結末。

作者の力量がひしひしと伝わって来たよ。
素直に驚いた。・・・・・・そして、あの結末には素直に悲しんだ。

 

感想

 

バイロケーションという、ドッペルゲンガーとは違ったもう1人の自分をテーマに扱った作品。

さっくりと読めて、手軽に(?)恐怖を味わいたい人におススメできます。

バイロケーションは所謂ドッペルゲンガーとは違い、自我があって自由に行動する。

それだけでも怖いのに、バイロケーションは自分を〝偽者〟だと認識していないのが、より質が悪い。更には、自分の意志とは無関係に出現するのが、より厄介だと思いました。

そして、主人公の忍は、自分と同じ境遇に悩まされる「会」に所属するのですが、この「会」の謎が多いこと!

なんで「会」はそんなに秘密ばっかり隠すの? バイロケーションの正体って何!?

って感じでスイスイページを捲れました。ちょっと隠し方があからさまかな、とも思ったり(笑)

そして、衝撃のラスト! 

これには言葉を失くしました。素直に感嘆しました。

思い返してみれば、所々に、違和感や伏線があったのに、気が付けなかったのがとても残念です。

 

自分が2人いれば、いいなぁ、と漠然と思ったことはありますが、この本を読んだらそんな考えは吹き飛んでしまいました・・・・・・。

 

こんな人におススメです

 

・いつもとは一味違う恐怖を味わいたい人。

日本ホラー小説大賞長編賞受賞に興味がある人。

・SF要素やミステリ要素を内包しているホラー小説を読みたい人。

・さくっとホラー小説を読みたい人。