相変わらずのクオリティの有栖川有栖作品。とても面白かった。
たぬき探偵のお気に入り作家なんですか?
うむ。私のお気に入りの作家さんだ。どの作品も面白いし、いずれも他の作品も紹介しよう。
それは楽しみですね! この作品はどんな話なんですか?
概要
人気ホラー小説家・白布施に誘われ、ミステリ作家の有栖川有栖は、京都・亀岡にある彼の家、「夢守荘」を訪問することに。そこには「眠ると必ず悪夢を見る部屋」があるという。しかしアリスが部屋に泊まった翌日、白布施のアシスタントがかつて住んでいた家で、右手首のない女性の死体が発見されて…。「俺が撃つのは、人間だけだ」臨床犯罪学者火村英生と相棒のミステリ作家アリスが、悪夢のような事件の謎を解く傑作長編!!(「BOOK」データベースより)
個人的ポイント
登 場 人 物 : やはりアリスと火村のコンビが面白いですね。
文 章 力 : 安定の文章力。とても読みやすい。
テ ー マ : タイトル通りに「悪夢」がテーマ。遂に火村の核心に迫る?
ト リ ッ ク : 安定の有栖川有栖クオリティ。
後 読 感 : やはり充分に楽しませてくれる作品。次の作品も是非読みたい。
眠ると必ず悪夢を見るという部屋・・・・・・。
その翌日に起きる殺人事件。しかも右手首がない女性死体。面白い展開ですよね。
感想
作家アリスはミステリとしての謎もそうですが、火村とアリスのコンビがまた面白いんです。これだけでも買う価値はあると思います。まるで漫才をやっているような、そんな印象です(笑)
アリスのトンデモ推理に冷静にツッコム火村がもう面白くて面白くて。
さて、殺人事件はアリスが必ず悪夢を見るという別荘で起きた次の日に発覚します。右手首がない女性死体の死亡推定時刻は昨夜。
しかし、昨夜は落雷により大木が倒れ、国道に通ずる道が閉ざされていた。犯人は必然的に別荘地にいた人間に絞られることに……。いや、それとも無理矢理別荘地に入り込んだのでしょうか?
調査を進める火村とアリス。それに警察。しかし、容疑者候補までもが、死体で発見されることになる。それも今度は左手首がない状態で……。
あまり語るとネタバレに繋がるのでここら辺で。
今作は少しばかり火村の謎に迫る一冊となっています。火村も悪夢を見て苦しんでいるのですが、友人のアリスがそれを気遣うシーンがグッときます。改めてふたりの友情を垣間見た気がします。
火村はこの事件を「散らかっている」と表現しました。
それは読者である私も感じていた事で、この事件をどうやって「整理」するのか気になっていました。それを綺麗に整理整頓するまるで狩人のような火村の推理は見事の一言でした。
確かに面白かったです。火村先生が格好いい・・・・・・。憧れちゃいますね。
こんな人におススメです
・王道のミステリを読みたい人。
・有栖川有栖の火村シリーズを読みたい人。
・一定のクオリティを求めている人。
・眠ると必ず悪夢を見る別荘に興味がある人。