面白い設定の探偵だなぁ。
忘却探偵、ですか?
ああ、そうだ。ちょっと変わった特異体質を持った探偵なんだ。
そんな体質を持っていて、なんで探偵なんて職業をしているんだろう・・・・・・。
概要
眠ると記憶を失う名探偵・掟上今日子。彼女のもとに最先端の映像研究所で起きた機密データ盗難事件の依頼がもたらされる。容疑者は4人の研究者と事務員・隠館厄介。身体検査でも見つからず、現場は密室。犯人とデータはどこに消えたのか。ミステリー史上もっとも前向きな忘却探偵、「初めまして」の第1巻。(「BOOK」データベースより)
個人的ポイント
登 場 人 物 : 主人公と探偵のバディが活きてて面白い。
文 章 力 : 著者の得意技である言葉遊びは少なめ? しかし充分な文章力。
テ ー マ : 主人公の隠館の葛藤が前面に出ていて、応援したくなる。
ト リ ッ ク : 忘却探偵、という設定を巧みに利用している。
後 読 感 : 隠館と今日子さんに幸あれ!
探偵にも色んな種類がいるが、こんな探偵に不利な設定は初めて。
この設定下、ちゃんと探偵は推理が出来るのだろうか?
感想
今まで読んできた推理小説では、様々な特徴を持った探偵がいたけれども〝忘却探偵〟という探偵は初めてかもしれません。
その名の通り、探偵の掟上今日子は睡眠をとってしまうとその日1日の記憶がリセットされてしまうという特異体質だ。
その体質から探偵なんて仕事は不向きに思えるかもしれないが、1日限りであれば、彼女の記憶力はずば抜けていて、また推理力も充分にある。
主人公は、隠館厄介というその風貌や雰囲気から、いつも事件の容疑者に疑われてしまうという男。
その体質からすぐに事件を解決してくれる最速の探偵である彼女を重宝しており、また淡い恋心さえ、抱いている。
事件やその推理だけではなく、隠館厄介の恋愛の行方についても、目を逸らす事ができない作品でした。
隠館の思いやりと今日子さんの職業意識に感動しました・・・・・・。
こんな人におススメです
・西尾維新の推理小説を読みたい人。
・忘却探偵、という設定を楽しみたい人。
・連作短編小説を読みたい人。
・主人公の恋愛の行方を知りたい人。