この本は1人の女性死刑囚の話だ。
死刑囚、という事はとんでもない女性なんじゃ・・・・・・。
どうやって彼女は死刑囚になったか。それを探る物語だ。
何だか重そうなテーマですね。
概要
田中幸乃、30歳。元恋人の家に放火して妻と1歳の双子を殺めた罪で、彼女は死刑を宣告された。凶行の背景に何があったのか。産科医、義姉、中学時代の親友、元恋人の友人、刑務官ら彼女の人生に関わった人々の追想から浮かび上がる世論の虚妄、そしてあまりにも哀しい真実。幼なじみの弁護士たちが再審を求めて奔走するが、彼女は…筆舌に尽くせぬ孤独を描き抜いた慟哭の長篇ミステリー。日本推理作家協会賞受賞。(「BOOK」データベースより)
個人的ポイント
登 場 人 物 : 登場人物は多いが、誰もが作り込みがされていて魅力的。
文 章 力 : 硬すぎず、スラスラと読める。
テ ー マ : 結構重い。死刑制度についても触れられている。
ト リ ッ ク : トリックではなく、ひとりの女性の物語。
後 読 感 : 胸が重くなり、ふぅと重い溜息を付くような感じ。
ミステリ小説というよりも、サスペンス色が強い作品。
どういった経緯で田中幸乃が死刑になり、死刑を受け入れるか、という作品。
感想
社会派ミステリー。
7章あるが、物語は女性死刑囚の「田中幸乃」を中心に、彼女を取り巻く人たちが主人公となって、話が進む。
「田中幸乃」はどうやって生まれ、どんな環境で育ち、どんな風に人格が定まり、どんな人間関係を作り、どう死刑になり、どう受け入れたのか。それを克明に描いている。
結末は、胸を締め付けられる事、間違いなしの一冊だ。
なんて、酷く悲しい話なんだ・・・・・・。